断酒が続かない理由とは?何度も失敗した私がたどり着いた「続く条件」

窓の外を見ながら一人で考える人物(断酒が続かない理由と生き方を見つめ直すイメージ) 断酒・禁酒のリアル

窓の外を見ながら一人で考える人物(断酒が続かない理由と生き方を見つめ直すイメージ)

断酒が続かないと、「自分は意志が弱いのではないか」と考えてしまうことがあります。

私自身も何度も断酒に失敗し、そのたびにそう思っていました。慢性膵炎になって一度は約4年間お酒をやめたのに再び飲み始め、その後もしばらく「やめては飲む」を繰り返しました。

でも、2019年8月から7年以上断酒を続けた今は、断酒が続かなかった理由を、意志の弱さだけで説明するのは違うと考えています。

私の場合、お酒は単なる嗜好品ではなく、仕事や人間関係のストレス、嫌なことや不満を一時的に忘れるための手段になっていました。お酒をやめるということは、飲み物を一つ手放すだけではなく、それまで自分を支えていた「逃げ道」を失うことでもあったのです。

また、人によっては習慣だけでなく、アルコールへの依存や飲酒欲求、離脱症状などが関係していることもあります。その場合は、単純に「我慢すればいい」という問題ではありません。

この記事では、一般的に断酒が続きにくくなる理由を確認したうえで、なぜ私は何度も失敗し、今は7年以上続けられているのかを実体験から振り返ります。

具体的な「飲みたくなったときの対処法」ではなく、この記事で考えたいのは、そもそもなぜ断酒が続かないのか、続けるためにはどんな状態が必要なのかということです。

断酒が続かないのは「意志が弱いから」だけではない

断酒が続かない背景には、本人の意志だけでは説明できない要因があります。

私自身も何度も失敗してきましたが、今振り返ると、「もっと強く我慢すればよかった」というだけの問題ではなかったと思っています。

アルコールへの依存が形成されている場合には、「やめたい」と思っていても、自分の意思だけでは飲酒をコントロールすることが難しくなることがあります。

厚生労働省も、依存症は「意志が弱いから」起こるものではなく、自分の意思でやめたり減らしたりすることが難しくなる病気だと説明しています。

また、長く多量の飲酒を続けてきた場合、お酒を減らしたりやめたりしたときに、不眠、発汗、手の震え、不安、いらいらなどの離脱症状が出ることがあります。重い場合にはけいれんなどが起こることもあるため、こうした症状が心配な場合は、自己判断だけで無理に進めず医療機関などに相談することが大切です。健康日本21アクション支援システム

ただ、断酒が続かない理由がすべてアルコール依存症というわけでもありません。

習慣やストレス、飲酒する環境など、人によって「なぜまた飲んでしまうのか」は違います。

断酒が続かない理由は人によって違う

断酒が続かない理由は、すべての人に共通しているわけではありません。

たとえば、毎晩決まった時間に飲むことが習慣になっている人もいれば、仕事や人間関係のストレス、不安や寂しさを紛らわせるために飲んでいる人もいます。周囲にお酒がある環境や、飲み会などで飲むことが当たり前になっている場合もあると思います。

だから、「また飲んでしまった」という結果だけを見て、すべてを意志の弱さで片づけるのではなく、自分はどんなときに飲みたくなるのか、お酒が自分の生活の中で何の役割を持っているのかを考えてみることが大切だと思います。

私の場合、その答えの一つが「ストレスから逃れるため」でした。

なぜ私は何度も断酒に失敗したのか

私自身、これまで何度も断酒に失敗してきました。

「もう飲まない」と決めても、しばらくするとまた飲んでしまう。そのたびに反省し、またやめようとするのですが、同じことを繰り返していました。

今振り返ると、私が続けられなかった大きな理由は、お酒そのものをやめようとしても、お酒を必要としていた生活の方を変えていなかったことだと思います。

当時の私は、仕事や人間関係でストレスがたまったり、嫌なことがあったりすると、お酒を飲んでいました。飲みながら好きなテレビを見ていれば、その時間だけは嫌なことを考えずに済みました。

つまり私にとってお酒は、単に「好きだから飲むもの」ではなく、ストレスをやり過ごし、気持ちを切り替えるための手段になっていたのです。

そんな状態で「今日から酒だけをなくす」と決めても、それまでお酒が担っていた役割は残ったままです。

仕事で嫌なことがあった。人間関係で腹が立った。疲れた。気分を変えたい。

以前なら、そこで飲んでいました。

お酒をやめると、その逃げ道がなくなります。ところが私は、代わりにどう気持ちを処理するのか、どう生活を変えるのかをほとんど考えていませんでした。

だから頭では「飲まない方がいい」と分かっていても、つらくなると再び、「飲んだ方が今は楽だ」という選択に戻ってしまったのだと思います。

今の私から見ると、これは「断酒する決意が足りなかった」というより、断酒を続けられる生活をまだ作れていなかったという方が近いです。

私には「飲まない生活を選ぶ理由」が足りなかった

もう一つ、今になって分かることがあります。

当時の私は、「お酒をやめなければならない理由」は分かっていました。慢性膵炎になり、健康のためにも飲まない方がいいことは、十分理解していたつもりです。

それでも、断酒は続きませんでした。

今振り返ると、「なぜお酒をやめるのか」は分かっていても、「なぜ飲まない生活を続けたいのか」までは、自分の中で納得できていなかったのだと思います。

当時は、嫌なことがあれば飲み、その時間だけ気持ちを楽にして、また翌日を迎えるという生活を続けていました。

お酒をやめれば健康にはいい。でも、その代わりにどんな生活をしたいのか、増えた時間を何に使いたいのか、どんな自分でいたいのか。そこまでは考えられていませんでした。

だから私にとって断酒は、長い間、「やりたいこと」ではなく「やらなければならないこと」だったのだと思います。

「飲みたいけれど我慢する」という状態では、嫌なことやストレスが重なったときに、「少しくらいならいいだろう」という考えが入り込みやすくなります。私自身、それを何度も繰り返しました。

その後、断酒が続くようになったのは、急に意志が強くなったからではありません。

少しずつ、お酒を飲まない生活そのものに、自分なりの意味を感じられるようになったことが大きかったと思います。

では、何が変わったのか。

次に、7年以上断酒が続いている今の自分から振り返ってみます。

なぜ今は7年以上断酒が続いているのか

では、何度も失敗していた私が、なぜ今は7年以上断酒を続けられているのか。

自分では、特別に意志が強くなったとは思っていません。大きく変わったのは、「飲みたいけれど我慢する」という状態ではなくなったことです。

以前の私は、嫌なことやストレスがあると、「お酒を飲めば少し楽になれる」と考えていました。健康上は飲まない方がいいと分かっていても、その瞬間だけを考えれば、飲むことにも自分なりのメリットを感じていたのです。

今は、その感覚が大きく変わりました。

お酒を飲まなければ、翌日の体調や時間を失わずに済みます。自分で決めたことを破った後悔もありませんし、嫌なことがあっても、しらふの自分で考えることができます。

そうした生活を何年も続けるうちに、少しずつ、「飲まない方が自分には合っている」と思えるようになりました。

これは、「お酒が嫌いになった」ということではありません。お酒を飲んで楽しかった時間もありますし、飲めば一時的に気持ちが軽くなることも経験してきました。

それでも今は、その一時的な楽さよりも、飲まない状態で自分の時間や生活を守れることの方が、自分にとって大きいと感じています。

だから現在の断酒は、毎日強い意志で我慢を続けているという感覚ではありません。

「今日は飲むのを我慢しよう」と毎日考えているというより、そもそも飲まない生活が普通になったという方が近いです。

もちろん、ここまで来るまでには時間がかかりました。何度も失敗しましたし、最初からこのように考えられていたわけでもありません。

だから私は、断酒が続くために必要なのは「もっと意志を強くすること」だけではなく、飲まない生活の方を自分で選びたいと思える状態を少しずつ作っていくことなのだと思っています。

まとめ|断酒が続かない理由は、意志の弱さだけではない

断酒が続かないと、「自分は意志が弱いのではないか」と考えてしまいます。

でも、私自身が何度も失敗した経験から感じているのは、断酒が続かない理由を、意志の強さだけで説明するのは難しいということです。

私の場合、お酒は単なる嗜好品ではありませんでした。仕事や人間関係のストレスをやり過ごし、嫌なことを一時的に忘れるための手段になっていました。

その状態で、お酒だけをなくそうとしても、それまでお酒が担っていた役割は残ったままです。

さらに当時の私は、「健康のためにやめなければならない」とは思っていても、なぜ飲まない生活を続けたいのかまでは、自分の中で納得できていませんでした。

今、7年以上断酒を続けられているのは、意志が特別に強くなったからではありません。

少しずつ、飲まない方が自分の時間を大切にできること、嫌なことをごまかさずに考えられること、そして飲まない生活そのものが自分に合っていると感じられるようになったことが大きかったと思います。

私の経験から言えば、断酒を続けるために必要だったのは、ただ「我慢すること」ではありませんでした。

お酒が自分にとってどんな役割を持っているのかを知り、その代わりになる生活を少しずつ作りながら、「飲まない方を自分で選びたい」と思える状態に近づいていくこと。

それが、何度も失敗した私がたどり着いた「続く条件」です。

※なお、飲みたくなったときにどうするか、断酒を続けるために私が実際に使ってきた具体的な方法については、別の記事にまとめています。

※断酒の始め方や時期ごとの変化、長く続けた後の実体験については、断酒カテゴリーの記事一覧にまとめています。

 

 

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