断酒すると眠れない?7年以上続けた私の睡眠の変化|寝落ち・夜中の目覚め・朝の違い

夜の寝室でベッドに座る男性と、「断酒すると眠れない? 7年以上続けた私の睡眠の変化 寝落ち・夜中の目覚め・朝の違い」と書かれた、断酒と睡眠をテーマにしたアイキャッチ画像。 断酒・禁酒のリアル

夜の寝室でベッドに座る男性と、「断酒すると眠れない? 7年以上続けた私の睡眠の変化 寝落ち・夜中の目覚め・朝の違い」と書かれた、断酒と睡眠をテーマにしたアイキャッチ画像。

「断酒すると眠れなくなる」「お酒をやめると睡眠の質が良くなる」。断酒と睡眠について調べると、こうした話をよく見かけます。

実際、断酒後に眠れなくなったり、夜中に目が覚めたりする人はいます。特に、飲酒を続けることで身体的な依存が形成されている場合には、不眠が離脱症状の一つとして現れることもあります。

私は7年以上断酒を続けていますが、正直に言うと、お酒をやめた直後から眠れなくなったという経験はありませんでした。 寝つきや睡眠時間についても、劇的に変わったという感覚はありません。

ただ、振り返ってみると変わったことはあります。飲酒していた頃にあった寝落ちはなくなり、二日酔いや胸やけ、朝のだるさもなくなりました。

一方で、夜中に目が覚めることは、むしろ断酒後の方が少し増えたように感じています。

つまり私の場合、断酒によって一番変わったのは「何時間眠れたか」ではなく、眠ったあとの朝の状態でした。

なお、私が断酒することになった大きなきっかけは、慢性膵炎になり、医師から飲酒を止められたことです。ストレス解消としてお酒に頼り、なかなかやめられなかった一方で、毎日大量に飲み続けたり、朝から飲んだり、何日も連続して飲み続けるような状態ではありませんでした。

そのため、この記事で紹介する私の経験だけでは、断酒後の不眠についてすべてを説明することはできません。飲酒量や飲み方、身体的な依存の状態によって、断酒後の睡眠の変化は人それぞれです。

この記事では、まず「断酒すると、なぜ眠れなくなる人がいるのか」という疑問について一般的な情報を整理したうえで、私自身の7年以上の断酒経験も交えながら、

  • 断酒すると眠れなくなることはあるのか
  • お酒と睡眠にはどのような関係があるのか
  • 夜中に目が覚めるのはどう考えればいいのか
  • 飲酒中と断酒後で、私の睡眠はどう変わったのか

を順番に見ていきます。

「お酒をやめたら眠れなくなった」「この状態は大丈夫なのだろうか」と不安に感じている方が、自分の状態を整理するための一つの材料にしてもらえればと思います。

断酒すると眠れなくなることはある|まず知っておきたいこと

断酒を始めたあとに、「なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」と感じる人はいます。特に、長期間の飲酒によって身体的な依存が形成されている場合、不眠は離脱症状の一つとして現れることがあります。厚生労働省系のe-ヘルスネットでも、不眠のほか、発汗、手の震え、不安、いらいら感などが代表的な離脱症状として挙げられています。

ただし、断酒をした人すべてが眠れなくなるわけではありません。飲酒量や飲み方、飲酒を続けてきた期間、身体的な依存の状態などによって、断酒後の睡眠の変化は異なります。

※断酒を始めた直後にどのような状態になるのかについては、「断酒初日はどんな状態になる?よくある症状と私のリアルな断酒1日目」でも、私自身の経験を交えて詳しく書いています。

私自身は、断酒を始めた直後に「お酒がないと眠れない」という状態にはなりませんでした。だからこそ、強い不眠を経験した人に対して、私自身の体験だけで「そのうち眠れるようになる」とは言えないと思っています。

一方で、久里浜医療センターでも、不眠はアルコール離脱時にみられる代表的な症状の一つとして扱われています。断酒後の不眠が強い場合や、手の震え、発汗、不安などほかの症状も出ている場合には、無理に一人で耐えるのではなく、医療機関に相談することも大切です。

では、そもそもなぜ「お酒を飲むと眠れる」と感じる一方で、お酒をやめると眠れなくなる人がいるのでしょうか。次に、お酒と睡眠の関係を見ていきます。

なぜお酒をやめると眠れなくなる人がいるのか

お酒を飲むと、眠気が強くなって「寝つきがよくなった」と感じることがあります。実際、アルコールには一時的に寝つきを促す作用があり、睡眠前半では深い睡眠が増えることもあります。一方で、睡眠後半の質は悪化しやすく、飲酒量が増えるほど夜中に目が覚める中途覚醒も増えるとされています。

また、アルコールを習慣的に飲み続けると、依存や耐性が形成され、飲まないとよく眠れない状態に至ることがあります。身体的な依存が形成されている場合には、飲酒をやめたり減らしたりしたときに、不眠や不安、発汗、手の震えなどの離脱症状が現れることがあります。久里浜医療センターでも、不眠は代表的なアルコール離脱症状の一つとされています。

つまり、「お酒をやめたのだから、すぐにぐっすり眠れるはず」とは限りません。むしろ、それまでアルコールの影響を受けていた睡眠が変化する過程で、一時的に寝つきにくくなったり、夜中に目が覚めたりする人もいます。

ただし、その程度や続く期間は人によって異なります。飲酒量や飲酒期間、身体的な依存の状態などによって違うため、「何日我慢すれば必ず眠れるようになる」と一律には言えません。

また、長期間にわたって大量に飲酒していた人では、断酒や減酒によって離脱症状が強く現れることがあります。特に、幻覚やけいれんなどの重い症状がある場合は、自己判断で耐え続けず、速やかに医療機関を受診してください。

では、「お酒を飲むとすぐ眠れるのだから、睡眠にはむしろ良いのではないか」と思う人もいるかもしれません。次は、寝つきのよさと睡眠の質は同じではないという点を見ていきます。

お酒を飲むと眠れるように感じるのに、睡眠の質は下がることがある

お酒を飲むと眠気が強くなり、「今日はよく眠れそうだ」と感じることがあります。私自身も、疲れているときに飲むと、そのまま寝落ちしてしまうことがありました。

ただ、寝つきがよくなることと、質のよい睡眠がとれることは同じではありません。 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、アルコールは一時的に寝つきを促し、睡眠前半では深い睡眠が増えることがある一方、睡眠後半の質を悪化させ、飲酒量が増えるほど中途覚醒が増えるとされています。そのため、同ガイドでは「晩酌は控えめにし、寝酒はしない」ことも勧められています。

つまり、「お酒を飲むとすぐ眠れる」「朝まで起きなかった」という感覚があっても、それだけで質のよい睡眠がとれているとは言えません。

私の場合、飲酒していた頃は朝まで起きないことも多く、一見すると「ぐっすり眠れている」ように思っていました。でも実際には、朝になっても体がすっきりせず、飲み方によっては二日酔いや胸やけが残ることもありました。

今振り返ると、朝まで目が覚めなかったことだけを見て「よく眠れていた」と考えるのは違ったのかもしれません。

断酒後は、夜中に目が覚めることが少し増えたように感じています。それでも、二日酔いや胸やけで朝を迎えることはなくなり、起きたときの体調は飲酒していた頃より明らかに楽になりました。

この経験から私自身は、「途中で目を覚まさずに眠れたか」だけではなく、翌朝にどんな状態で起きられたかも、睡眠を考えるうえでは大切なのだろうと感じています。

私の場合|断酒しても「眠れない」という状態にはならなかった

ここからは、一般的な話とは分けて、私自身の経験を書きます。

私が断酒することになった大きなきっかけは、慢性膵炎になり、医師から飲酒をやめるように言われたことでした。それでも当時は、お酒をストレス解消の手段として使っていたため、体のためにやめる必要があると分かっていても、なかなか完全にはやめられませんでした。

※慢性膵炎になっても飲酒を完全にはやめられず、再び飲んでしまった当時のことは、「慢性膵炎で断酒が必要と言われた人へ|『少しなら大丈夫』と再飲酒した私の実体験」で詳しく書いています。

家族に隠れて飲むこともあり、「やめた方がいいのにやめられない」という意味では、お酒との付き合い方に明らかな問題があったと思います。

ただし、私の場合は、毎日のように大量のお酒を飲み続けたり、朝から飲んだり、何日も連続して飲み続けるような状態ではありませんでした。断酒を始めたときにも、強い震えや発汗などの離脱症状を経験した記憶はありません。

そして睡眠についても、「お酒をやめたら眠れなくなった」という感覚はありませんでした。

寝つきが極端に悪くなったわけでもなく、睡眠時間が大きく短くなったわけでもありません。「お酒がないと眠れない」と困った記憶も、私にはありません。

だからといって、「断酒しても眠れなくなることはない」と言いたいわけではありません。私自身が強い断酒後の不眠を経験していない以上、そうした症状については自分の経験として語ることができないからです。

一方で、睡眠に何の変化もなかったわけではありません。

飲酒していた頃にあった寝落ちはなくなりましたし、夜中に目を覚ますことはむしろ少し増えたように思います。そして、私がもっとも大きく変わったと感じたのは、寝つきや睡眠時間ではなく、翌朝の体調でした。

次は、飲酒していた頃と断酒後で、私の睡眠が具体的にどう変わったのかを振り返ります。

飲酒していた頃と断酒後で、私の睡眠はどう変わったか

私の場合、断酒によって睡眠そのものが劇的に変わったわけではありません。ただ、振り返ってみると、寝落ち・夜中の目覚め・翌朝の体調には違いがありました。

飲酒していた頃は、そのまま寝落ちすることがあった

お酒を飲んでいた頃は、特に疲れている日に、そのまま寝落ちしてしまうことがありました。朝までほとんど目を覚まさないこともあり、一見すると「よく眠れている」ようにも思えます。

ただ、翌朝になってみると、体がすっきりしていなかったり、飲み方によっては二日酔いや胸やけが残ったりすることがありました。今振り返ると、朝まで起きなかったからといって、翌朝まで気持ちよく過ごせる睡眠だったとは限らなかったのだと思います。

断酒後は寝落ちすることがなくなった

断酒をしてからは、お酒を飲んでそのまま寝てしまうということはなくなりました。眠くなってから普通に布団に入り、眠るという状態になりました。

私にとっては、この変化はかなり自然なものでした。「お酒がないと寝つけない」と感じることもなく、寝るために何か特別なことをしなければならないという感覚もありませんでした。

夜中に目が覚めることは、むしろ少し増えた

一方で、断酒後は夜中に目が覚めることが少し増えたように感じています。飲酒していた頃は朝まで起きないことが多かったので、この点だけを見れば「以前の方が深く眠れていたのでは」と思うこともありました。

ただ、夜中に一度目を覚ましたとしても、翌朝の体調は断酒後の方が明らかに良いです。途中で目を覚ましたかどうかだけでは、睡眠の良し悪しを判断できないのだと感じています。

一番大きく変わったのは、翌朝のすっきり感

私が断酒後の睡眠で一番大きな違いを感じているのは、朝起きたときの状態です。

二日酔いは当然なくなりましたし、飲酒後に感じていた胸やけや、朝のだるさもなくなりました。睡眠時間そのものはそれほど変わっていないと思いますが、起きたときの体の軽さは、飲んでいた頃とはかなり違います。

そのため私自身は、断酒によって「ものすごく長く眠れるようになった」「一度も目を覚まさなくなった」とは感じていません。それでも、翌朝を気持ちよく始められるようになったことは、睡眠に関する大きな変化だったと思っています。

断酒後に眠れないときに気をつけたいこと

断酒後に眠れないと、「やっぱり少し飲んだ方が眠れるのでは」と思うことがあるかもしれません。ですが、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、眠るためにお酒を飲む「寝酒」は睡眠の質を悪化させる可能性があるため、避けることが勧められています。

特に注意したいのは、不眠だけではなく、発汗、手の震え、不安、いらいらなどの症状も一緒に出ている場合です。アルコールへの身体依存が形成されていると、断酒や減酒によってこうした離脱症状が現れることがあり、重い場合には幻覚やけいれんが起こることもあります。

そのため、強い飲酒習慣があった人や、断酒後の症状が強い人は、「眠れないだけだから」と自己判断で我慢し続けない方がいいと思います。必要に応じて医療機関や依存症の専門機関に相談することも大切です。

一方で、私自身は断酒後に強い不眠を経験しませんでした。眠れないから何か特別な対策をしたというより、飲酒をやめたことで、それまでお酒が担っていたストレス解消の代わりを探すことの方が大きな課題でした。

そこで私は、運動をしたり、風呂にゆっくり入ったり、コーラや炭酸飲料を飲んだり、甘いものを食べたりしていました。これらを「断酒後の不眠に効く方法」として勧めたいわけではありませんが、私にとっては、お酒以外にも気持ちを切り替える方法があると知ることが、断酒を続けるうえで役立ちました。

※私が実際に断酒を続けるためにやってきたことは、「断酒・禁酒を続ける7つの方法|何度も失敗した私が7年以上続けられた実践法」にまとめています。

断酒後に眠れない状態が続く場合は、「眠れないから少し飲もう」とお酒に戻るのではなく、自分だけで抱え込まないことが大切です。 特に、不眠に加えて発汗や手の震え、強い不安などの症状がある場合は、アルコールの離脱症状が関係している可能性もあるため、自己判断で我慢せず、医療機関に相談してください。

7年以上断酒した今、睡眠について思うこと

断酒を始めてから7年以上が経ちましたが、今の私は、睡眠について特別に意識することはほとんどありません。

以前は「寝ることが幸せだ」と強く感じていた時期もありました。お酒をやめて、夜を普通に過ごし、布団に入って眠ること自体が心地よく感じられていたのだと思います。

ただ、最近はそこまで強く意識することはありません。睡眠が特別なものではなく、日常の一部になったという方が近いです。

振り返ってみても、私は「断酒したら劇的によく眠れるようになった」とは思っていません。寝つきや睡眠時間そのものは大きく変わりませんでしたし、夜中に目が覚めることはむしろ少し増えたように感じています。

それでも、飲酒していた頃と比べると、朝起きたときの状態は明らかに違います。二日酔いや胸やけで一日を始めることがなくなり、朝から体調の悪さを引きずることもなくなりました。

私にとっては、これが断酒による睡眠面での一番大きな変化だったのだと思います。

「一度も目を覚まさず朝まで眠れたか」よりも、朝起きたときに普通の状態で一日を始められること。 7年以上続けた今振り返ると、その方がずっと大きな価値だったと感じています。

※睡眠だけではなく、心や体、生活全体を長期的に振り返った変化については、「断酒2400日で何が変わった?長期断酒で実感したメリットと心・体・生活の変化」でまとめています。

まとめ|断酒後の睡眠は「誰でも同じ」ではない

断酒すると、「すぐにぐっすり眠れるようになる」とも、「必ず眠れなくなる」とも言い切れません。飲酒量や飲み方、飲酒期間、身体的な依存の状態などによって、断酒後の睡眠の変化は人それぞれです。

私自身は、断酒した直後に強い不眠を経験しませんでした。寝つきや睡眠時間も大きくは変わらず、夜中に目が覚めることはむしろ少し増えたように感じています。

それでも、飲酒していた頃にあった寝落ちや二日酔い、胸やけ、朝のだるさはなくなりました。私にとって一番大きかったのは、眠り方そのものよりも、朝起きたときの体調が変わったことです。

一方で、断酒後に眠れない状態が続いたり、発汗や手の震え、不安などの症状も出ている場合には、私の経験だけを参考にして我慢するべきではありません。飲酒習慣によっては離脱症状が関係していることもあるため、必要に応じて医療機関に相談してください。

断酒と睡眠の関係は、単純に「良くなる・悪くなる」だけでは語れないと私は思います。だからこそ、自分の睡眠時間だけではなく、夜中の目覚め方や翌朝の体調まで含めて変化を見ることが大切なのだと思います。

※断酒による睡眠以外の変化や、断酒の始め方・続け方について知りたい方は、「断酒完全ガイド|6年以上続けた私が語る効果・変化・続け方のすべて」も参考にしてください。

参考情報

この記事では、私自身の7年以上の断酒経験に加えて、アルコールと睡眠、離脱症状に関する一般的な情報について、以下の公的機関・専門医療機関の情報を参考にしています。

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