スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥選手が、元世界2階級制覇王者でWBC世界同級1位のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回1分22秒TKO勝ちしました。
34年ぶりに東京ドームで行われたボクシングのメインイベントで、とてもスリリングな試合を見せて、興行的にも大成功だったんじゃないでしょうか?
この試合について、いろんな人たちがコメントやYouTubeを出しているので、まとめてみようと思います。
34年ぶりの東京ドームでのボクシング興行
最初に書いた通り、今回の東京ドームでのボクシング興行は、34年ぶりです。
前回のメインイベントは、無敗の統一世界ヘビー級チャンピオンだったマイク・タイソンとジェームス・バスター・ダグラスの一戦。
世紀の大番狂わせと言われ、その会場として、世界中に東京ドームが記憶された一戦でした。
実は、この試合前、タイソンは調子悪かったんですよね。
当時、タイソンは無敗で統一チャンピオンになっていました。
そして、東京ドームでの試合は、日本で初めての試合でした。
だからかどうかわかりませんが、コンディションが良いとはとても思えない感じでした。
というか、なんか変な雰囲気がずーーっと漂っていました。
スパーリングで打ち込まれて、ダウンを取られたという話もありました。
公園で鳩を捕まえて喜んだりしていました。
なんか、闘志にかけているという感じがしていましたね。
で、かませ犬と思われていた、ジェームス・バスター・ダグラスに10回KO負けしてしまったわけです。
このことから、東京ドームには、ボクシングのアップセットの魔物がいるんじゃないのか?と言われていたわけです。
今回の会場の東京ドームには、こんな話があったので、ネリは「今回も番狂わせが起きる」とか言っていたわけです。
悪童ネリと日本の因縁
今回、井上尚弥にTKO負けしたルイス・ネリは、日本との因縁があるボクサーでした。
今回の井上尚弥との対戦が決まってから、いつも言われていたので、周知のことですが、山中慎介選手との2回のタイトルマッチにまつわるものです。
2回ともルイス・ネリが勝ったのですが、1回目はドーピング、2回目は体重超過という”おきて破り”を繰り返しました。
このことで、完全にネリは日本のボクシングファンからすれば、「憎っくき存在」となったわけです。
ネリは、”神の左”と呼ばれる左ストレートが強烈な山中慎介選手をぶっ飛ばしてしまっていました。
これは、体重が重かったからなのか、パンチが強かったからなのか?
「体重が重い人が軽い人と戦うとこうなるよね。ずるいよね。」と思った記憶があります。
勝った後に、喜んでいたのも、気に入りませんでした。
あくまで体重超過というルール違反をしたのですから、申し訳なさそうにするべきだと思いました。
これは、最近WBC・S・ライト級王者デビン・ヘイニーに勝ったライアン・ガルシアにも同じ思いがしました。
ガルシアの場合は、体重超過+ドーピングのコンボですからね。
もう、ルール無用なので、さらにひどい。
最近、体重超過なんかが常態化していますけど、マジで危ないですからね。
ちゃんとルールを守ったうえで戦ってほしいです。
注目の公開計量
そんなことだったので、ネリがちゃんと体重を守るのかが注目されていました。
結果としては、何週間も前から事前計量を何度もする約束だったので、ネリはちゃんと体重を落としてきました。
でも、意外だったのが、リミット体重よりも500gもアンダーだったこと。
落としすぎじゃない?って思ってしまいました。
逆に調整失敗していて、当日動けないとか、体が薄くてボディが弱いんじゃないか?と。
計量の後のフェイスオフで、ネリの取り巻きが「New!」とか言っているのも鬱陶しかったです。
まぁ、ちゃんと体重を落としてくるのは当然なんですが。
今回は特に体重超過常習犯の悪童ネリということで、前日計量もいつも以上に注目されました。
そしていよいよ対決
心配されていた計量も無事終わり、井上尚弥 VS ルイス・ネリの試合は、正式に成立することとなりました。
試合展開は、もうご存じのとおり。
第1ラウンドにいきなり井上尚弥選手が、自身初めてのダウンを喫して、東京ドームが騒然とします。
「やっぱり、東京ドームは大番狂わせの地なのか?」と思った人も多かったでしょう。
でも、ここで井上尚弥選手がただの選手でないと思ったのは、全然あわててなかったこと。
さすがにびっくりしたでしょうし、ダメージも全くなかったわけではないでしょうが、対応が良かった。
すぐに立ち上がって再開して、打ち込まれるというのはよく見られるパターンですが、井上尚弥選手は8カウントまでゆっくり待った。
そして、再開された後も、直後はクリンチに徹して、たぶん自分の体の反応を見ていた。
そして、大丈夫かな?と思った後は、振り回してくるネリにアッパーなどのカウンターを合わせていました。
カウンターを2発もらったネリは、ちょっと一気にはムリと判断して少し攻勢を緩めたところで第1ラウンド終了。
自身初めてのダウンだったのに、ほぼベストの対応をしたところがモンスターのすごいところだと思いました。
よく世間一般に、「物事は準備が9割」と言われます。これは、物事に取り組むときに準備がとても大切だということを言っています。でも、実際にはなかなかそのようには行きません。今日は自分への戒めの意味も込めて、「物事は準備が9割」ということについて書いてみようと思います。準備でほとんど勝負は決まっているよく、ワールドカップのサッカーの試合などでも、「試合を始める前に、ほとんど勝負は決まっている」と言われます。ワールドカップのサッカーの予選リーグの組み合わせは、実際にワールドカップが開催される半年以上前... 【人生を上手に生きる】物事は準備が9割【先に頑張っておくと後が楽です】 - こうぷーぶろぐ |
続く、第2ラウンドが始まるところでは、既に井上尚弥選手は落ち着ていて、コーナーから出る前に「ホゥー!!」っと大きな声を出していました。
そして、落ち着いた第2ラウンドの途中で、井上尚弥選手はネリから、左フックでお返しのダウンを奪いました。
パンチ的にはそんなに効いたものではなく、ネリが右を大きく振ったのをかわした井上選手が、左フックをひっかけて、足がそろっていたネリが倒れた感じ。
でも、これで、点数的にもお互い1回ずつのダウンでイーブンに戻し、井上尚弥選手は精神的にも楽になったと思います。
あとは、3ラウンド以降、井上選手のペースになって、ドームの雰囲気をだんだん楽しんでいる感じが出てました。
ネリのパンチをかわした後、顔をノーガードで突き出して、「打って来いよ!」と言わんばかりのポーズもやってましたね。
5ラウンドには、強引に出てきたネリに的確にフックをあてて、2回目のダウン。
このダウンは、1回目のダウンより効いていましたね。
ネリは、5ラウンドは何とかKOを逃れたものの、6ラウンドにしっかり決められました。
最後は、右のアッパーからストレートの2発。
めちゃめちゃ速くてコンパクトだったのにもかかわらず、最後のストレートで首がずれてましたね。
ネリはマウスピースも吐き出して、誰が見ても立てそうになく、レフェリーのグリフィンさんがストップしました。
これで、勝負あり。最初はヒヤヒヤしたものの、井上尚弥選手が、結局は圧勝でした。
いろんな人の反応
では、ここからは、このすごい試合に対するいろんな人の反応をまとめてみます。
概して、第1ラウンドのダウンにはびっくりしたが、それへの対応も含めて井上尚弥選手は最も素晴らいの選手だというようなコメントがほとんどでした。
まず、第1ラウンドのダウンに対する対応がすごかったということを言っていたもの。
当日、ライブで放映をしていたAmazon Prime の番組で解説をしていた長谷川穂積さんのコメントがそのようなものでした。
シミュレーションをちゃんとしていたからというものの、あの大舞台での初めてのダウンでやるところがすごいですね。
そのほかにも、
- 最後のパンチがものすごくコンパクトだったのに衝撃がすごかった
- 身体がムキムキで背中の筋肉もすごかった
- 入場の時から4万人の観衆を確認するように楽しんでいた
などのコメントを日本人のいろんなボクサー関係者がコメントしていました。
次戦は、オーストラリアのサム・グッドマン選手との試合が想定されています。
東京ドームの試合後に、グッドマン選手がリングに上がって、インタビューをしていましたよね。
でも、なんとなく、いろんな意味で注目を集めた、今回ほどの盛り上がりにはならないかもしれません。
いずれにしても、次は9月ごろらしいです。
また次の試合が楽しみではあります。
こうぷー
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