【英字新聞を読む】安倍首相は日本にとってどんな意味があったのか?海外での評価!

英語、英会話

昨日、安倍元総理の葬儀が行われました。

とてもたくさんの人たちが、増上寺などに集まっていました。

また、火葬場へ向かう途中には、自民党本部、国会議事堂、首相官邸などを回っていました

その沿道にも、たくさんの人たちが集まっていました。

外国からはこれらの状況について、どのように見えていたのでしょうか?

BBCの記事から、外国から見た安倍元首相の残したものについて読んでみようと思います。

まずは記事全体を読んでみたいと思います。

What did Shinzo Abe mean to Japan?
Japan has witnessed an extraordinary outpouring of grief and sadness for former prime minister Shinzo Abe who was assassinated in the city of Nara on Friday. The country has seen nothing like it since the death of Emperor Hirohito in 1989.
日本は、金曜日に奈良市で暗殺された安倍晋三元首相の嘆きと悲しみの異常なあふれだしを目撃しました。 1989年に昭和天皇が亡くなって以来、この国はそのようなものを見たことがありません。

Abe, the country’s longest serving post-war prime minister, inspired respect rather than love. Economics was actually never Abe’s strong suit. His lifelong obsession was national security. And that’s where his true legacy lies.
戦後最長の首相である安倍首相は、愛よりも尊敬の念を抱かせた。経済学は実際には決して安倍の強い分野ではありませんでした。彼の生涯にわたる執着は国家安全保障でした。そして、そこに彼の真の遺産があります。

In a post-Cold War world, with the threat from China and North Korea rising, Abe was determined that Article 9 had to go. “The idea of the constitution was that Japan should rely on the goodwill of the world for its security,” says Kazuhiko Togo, a former senior diplomat and friend of Abe.
冷戦後の世界では、中国と北朝鮮の脅威が高まり、安倍首相は第9条を廃止しなければならないと決意しました。 「憲法の考え方は、日本が安全保障のために世界の善意に頼るべきであるということでした」と、元上級外交官で安倍首相の友人である東郷和彦は言います。

Changing Japan’s constitution is extremely hard. It needs a two-thirds majority in both houses of parliament, and the support of a national referendum. Abe knew that was all but impossible.
日本国憲法を変えることは非常に難しいです。両方の議会で3分の2の過半数が必要であり、国民投票の支持が必要です。安倍はそれがほとんど不可能であることを知っていた。

So, he came up with another solution – he would pass a law “re-interpreting” the meaning of Article 9. To Mr Togo that was a stroke of genius.
それで、彼は別の解決策を思いついた-彼は第9条の意味を「再解釈する」法律を可決するだろう。それは東郷氏にとって天才の一撃であった。

“He changed the interpretation of Article 9, so that if the United States is attacking in the vicinity of Japan then it’s as if Japan is attacked, and that would allow us to assert our right to collective self-defence. The implication is huge,” he explains.
「彼は第9条の解釈を変更し、米国が日本の近くで攻撃している場合、それはまるで日本が攻撃されているかのようであり、それは私たちが集団的自衛権を主張することを可能にするだろう。 この意味合いは非常に大きい。」と彼は説明する。

That is, if the United States enters a war to, let’s say, defend Taiwan against a Chinese invasion, Japan can join as well. Even Abe’s supporters admit his was an incomplete legacy.
つまり、米国が中国の侵略から台湾を守るために戦争に参加した場合、日本も参加することができます。安倍首相の支持者でさえ、彼の不完全な遺産であったことを認めています。

Perhaps it is finally time for Japan to have that honest conversation about Article 9.
たぶん、ついに日本が第9条についてその正直な会話をする時が来たのだろう。

では、1文ずつ文章を細かく見ていこうと思います。

Japan has witnessed an extraordinary outpouring of grief and sadness for former prime minister Shinzo Abe who was assassinated in the city of Nara on Friday. The country has seen nothing like it since the death of Emperor Hirohito in 1989.
日本は、金曜日に奈良市で暗殺された安倍晋三元首相の嘆きと悲しみの異常なあふれだしを目撃しました。 1989年に昭和天皇が亡くなって以来、この国はそのようなものを見たことがありません。

日本は、金曜日に奈良市で暗殺された安倍晋三元首相の嘆きと悲しみの異常なあふれだしを目撃しました(has witnessed an extraordinary outpouring of grief and sadness)。 1989年に昭和天皇が亡くなって以来、この国はそのようなものを見たことがありません(the country has seen nothing like it)

安倍元総理が金曜日に暗殺されてから、日本中が悲しみにあふれていると書いています。

その状況は普通ではないぐらいであったと。

このような状況は、1989年に昭和天皇がなくなって以来のことであると書かれています。

“has witnessed an extraordinary outpouring of grief and sadness”で「嘆きと悲しみの異常なあふれ出しを目撃した」と表現しています。

“witness”は名詞では「証人、目撃者」という意味ですが、動詞では「目撃する、目の当たりにする」という意味です。

“extraordinary”は「異常な、普通でない」という意味。”ordinary”が「普通の、通常の」という意味なので、それを”extra”で「超えている」ということです。

“grief”も”sadness”も「悲しみ」という意味です。

これまでにも、世界中からも悲しみの声が上がっているということについて、取り上げてきました

Abe, the country’s longest serving post-war prime minister, inspired respect rather than love. Economics was actually never Abe’s strong suit. His lifelong obsession was national security. And that’s where his true legacy lies.
戦後最長の首相である安倍首相は、愛よりも尊敬の念を抱かせた。経済学は実際には決して安倍の強い分野ではありませんでした。彼の生涯にわたる執着は国家安全保障でした。そして、そこに彼の真の遺産があります。

戦後最長の首相である(the country’s longest serving post-war prime minister)安倍首相は、愛よりも尊敬の念を抱かせた(inspired respect rather than love)。経済学は実際には決して安倍の強い分野ではありませんでした(was actually never Abe’s strong suit)。彼の生涯にわたる執着は(lifelong obsession)国家安全保障でした。そして、そこに彼の真の遺産があります(where his true legacy lies)

安倍元首相は、戦後最長の首相でした。

そして、愛されるというよりは、尊敬される首相だったと言っています。

安倍首相の功績としては、「アベノミクス」という経済政策を掲げていましたが、経済はあまり得意ではなかった。

一方で、安全保障に関しては、強い意思がありました。

そこに彼の功績があると言っています。

“inspired respect rather than love”で「愛よりも尊敬の念を抱かせた」と訳しています

“inspire”は「引き付ける、感情を起こさせる」というような意味があります。日本語でも「インスパイアーされる」とか言いますよね。

“rather than ~”で「~よりも」という意味。

In a post-Cold War world, with the threat from China and North Korea rising, Abe was determined that Article 9 had to go. “The idea of the constitution was that Japan should rely on the goodwill of the world for its security,” says Kazuhiko Togo, a former senior diplomat and friend of Abe.
冷戦後の世界では、中国と北朝鮮の脅威が高まり、安倍首相は第9条を廃止しなければならないと決意しました。 「憲法の考え方は、日本が安全保障のために世界の善意に頼るべきであるということでした」と、元上級外交官で安倍首相の友人である東郷和彦は言います。

冷戦後の世界では、中国と北朝鮮の脅威が高まり(with the threat from China and North Korean rising)、安倍首相は第9条を廃止しなければならないと決意しました(was determined that Article 9 had to go)。 「憲法の考え方は、日本が安全保障のために世界の善意に頼るべきである(Japan should rely on the goodwill of world for its security)ということでした」と、元上級外交官で安倍首相の友人である東郷和彦は言います。

冷戦後の日本を取り巻く環境は、中国と北朝鮮の脅威が高まっていった。

その中で、日本は憲法第9条があって、他国を攻撃することはできない。

日本の国としての安全は、他国の善意に頼るというものだった。

これでは、日本の安全は守れないと安倍元首相は考えた。と外交官であり、安倍元首相の友達でもある東郷和彦氏は語っている。

“was determined that Article 9 had to go”で「第9条を廃止しなければならないと決意した」と訳しています

“determine”は「決断する、決意する」という動詞。

“go”は「行く」という意味が有名ですが、「消え去る」という意味があります。

すなわち「憲法第9条は消え去るべきだと考えた」ということです。

Changing Japan’s constitution is extremely hard. It needs a two-thirds majority in both houses of parliament, and the support of a national referendum. Abe knew that was all but impossible.
日本国憲法を変えることは非常に難しいです。両方の議会で3分の2の過半数が必要であり、国民投票の支持が必要です。安倍はそれがほとんど不可能であることを知っていた。

日本国憲法を変えることは非常に難しいです(changing Japan’s constitution is extremely hard)。両方の議会で3分の2の過半数が必要(needs a two-thirds majority)であり、国民投票の支持(the support of a national referendum)が必要です。安倍はそれがほとんど不可能である(that was all but impossible)ことを知っていた。

日本の憲法を変えることはとても大変です。

まず、両方の議会の3分の2の賛成が必要。

その後、国民投票が行われて、過半数の賛成が必要です。

これを行うことは、ほとんど不可能であると安倍元首相は分かっていた。

“that was all but impossible”で「それがほとんど不可能である」と訳してます

“all but ~”で「ほとんど~である、~も同然である」という意味です。

So, he came up with another solution – he would pass a law “re-interpreting” the meaning of Article 9. To Mr Togo that was a stroke of genius.
それで、彼は別の解決策を思いついた-彼は第9条の意味を「再解釈する」法律を可決するだろう。それは東郷氏にとって天才の一撃であった。

それで、彼は別の解決策を思いついた(came up with another solution)-彼は第9条の意味を「再解釈する」法律を可決するだろう。それは東郷氏にとって天才の一撃(a stroke of genius)であった。

憲法を改正するということは、ほとんど不可能な中で、日本の安全保障を高めるためにどうすればよいかと安倍元首相は考えた。

そして思い付いたのが、憲法第9条の意味を「再解釈する」ということだった。

その考え方は、外交官の東郷氏にとっては、「天才の一撃(a stroke of genius)」だったと言っています。

“stroke”は「打つこと、一撃」という意味。”genius”はもちろん「天才」という意味です。

“came up with another solution”で「別の解決策を思いついた」と訳しています

“come up ~”で「思い付く」ですが、頭の中に「やってきて浮かび上がる」という感じなんだと思います。

“He changed the interpretation of Article 9, so that if the United States is attacking in the vicinity of Japan then it’s as if Japan is attacked, and that would allow us to assert our right to collective self-defence. The implication is huge,” he explains.
「彼は第9条の解釈を変更し、米国が日本の近くで攻撃している場合、それはまるで日本が攻撃されているかのようであり、それは私たちが集団的自衛権を主張することを可能にするだろう。 この意味合いは非常に大きい。」と彼は説明する。

「彼は第9条の解釈を変更し(changed the interpretation of Article 9)米国が日本の近くで攻撃している場合(if the United States is attacking in the vicinity of Japan)、それはまるで日本が攻撃されているかのようであり(as if Japan is attacked)、それは私たちが集団的自衛権を主張することを可能にするだろう(would allow us to assert our right to collective self-defence)この意味合いは非常に大きい(the implication is huge)。」と彼は説明する。

安倍元首相は、日本の近くで同盟国のアメリカが攻撃しているときは、日本も攻撃されているのと同じだと憲法第9条の解釈を変更した。

これによって、国際的に認められている集団自衛権の行使が可能になると言った。

このことは、意味合いとして非常に大きかったと、東郷氏は行っています。

“would allow us to assert our right to collective self-defence”で「私たちが集団的自衛権を主張することを可能にするだろう」と訳しています

直訳すると「私たちが集団的自衛権を主張することが許されるだろう」という意味。

“assert”は「強く主張する」という意味。

That is, if the United States enters a war to, let’s say, defend Taiwan against a Chinese invasion, Japan can join as well. Even Abe’s supporters admit his was an incomplete legacy.
つまり、米国が中国の侵略から台湾を守るために戦争に参加した場合、日本も参加することができます。安倍首相の支持者でさえ、彼の不完全な遺産であったことを認めています。

つまり、米国が中国の侵略から台湾を守るために戦争に参加した場合、日本も参加することができます(Japan can join as well)。安倍首相の支持者でさえ、彼の不完全な遺産であったことを認めています(admit his was an incomplete legacy)

この解釈によれば、例えば、中国が台湾に攻め入った際に、アメリカがその侵略から台湾を守るために戦争に参加すると、日本も参加できるということになる。

このような解釈は、安倍元首相の支持者でさえ、苦し紛れな解釈だというように思っている。

それでも、解釈の変更には意味があったということです。

“Japan can join as well”で「日本も参加できる」と訳しています

“as well”は「同じに、同様に」という意味です。

Perhaps it is finally time for Japan to have that honest conversation about Article 9.
たぶん、ついに日本が第9条についてその正直な会話をする時が来たのだろう。

たぶん(perhaps)ついに(finally)日本が第9条についてその正直な会話をする時(time for Japan to have that honest conversation about Article 9)が来たのだろう。

安倍元首相が亡くなって、憲法9条について、本当に話しあう時がやって来たのではないか?と言っています。

こういうショックなことをきっかけに、物事が動くということは、よくあることです。

さて、日本は本当に憲法改正に向かうのでしょうか?

今日は、安倍元首相の日本にとっての意味ということについて取り上げました。

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

こうぷー

コメント

タイトルとURLをコピーしました