2026年1月、日本の株式市場で大きな動きがありました。
日経平均株価は一時1800円以上上昇し、史上初めて5万3000円台を突破しました。
同時に為替市場では、円相場が1ドル=158円台まで円安が進んでいます。
ニュースでは
・衆議院解散の検討
・高市トレードの再開
といった言葉が並びますが、
「なぜこれで株が急騰して、同時に円安になるのか?」
と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、投資初心者の方でも理解できるように、
今回の相場をできるだけシンプルに整理して説明します。

なぜ「衆議院解散観測」で株高になるのか?
今回の株高のポイントは、
「解散そのもの」ではなく、「選挙が近づくこと」 にあります。
選挙が近づくと、政権は有権者の支持を得るために、
景気や生活にプラスとなる政策を前面に打ち出しやすくなります。
具体的には、
・家計支援(給付金・補助金など)
・企業支援や設備投資の促進
・景気を下支えするための財政支出の拡大
といった、
お金を使って景気を良くしようとする政策(積極財政)
が公約として掲げられやすくなります。
そして市場が注目するのは、
「選挙が行われるかどうか」そのものではなく、
選挙で政権が勝てば、
選挙前に掲げた積極財政が実際に実行される可能性が高まる
という点です。
株式市場は「今の状況」ではなく、
これから起こりそうな未来を先回りして価格に反映する
という特徴があります。
そのため市場では、
衆院解散観測
→ 選挙が近い
→ 政権が勝てば積極財政が実施される
→ 景気が押し上げられる
→ 企業の売上や利益が伸びる可能性が高まる
→ 将来の業績が良くなりそうな企業の株を、今のうちに買っておこう
という流れが意識されます。
結果として、
実際に業績が改善する前の段階から株が買われ、
株価が先に上昇する
という動きにつながったと考えられます。
今回の日本株高は、
「すでに起きた事実」ではなく、
これから実施されるであろう政策と、その先の業績改善を先取りした相場
だった、という点が重要なポイントです。
「自民党が勝つ」と見られることも株高要因
市場が重視するのは、
「内容として良さそうな政策」そのものではなく、
その政策が実際に実行される可能性がどれくらい高いか です。
今回、日本株が大きく上昇したという事実は、
投資家が次のように判断した可能性が高いことを示しています。
・衆議院解散が行われ、総選挙になった場合
・積極財政を掲げる与党が選挙で勝利する可能性が高い
・選挙前に公約していた積極財政政策が、選挙後に実際に実施される可能性も高い
このような見方が市場で共有されるほど、
「政策は実行される前提」で考える投資家が増えていきます。
株式市場は、政策が正式に決まり、実行された後ではなく、
「実行されそうだ」と多くの投資家が感じた段階で動き始める
という特徴があります。
そのため、
・選挙で与党が勝つ可能性が高い
・政権基盤が安定しそうだ
・積極財政が実際に行われる見通しが立つ
という認識が広がるほど、
将来の景気回復や企業業績の改善が意識され、
その期待を先取りする形で株が買われ、株価が上がりやすくなる
という流れになります。
今回の株高は、
「すでに政策が実行されたから」ではなく、
積極財政を掲げる政権が選挙に勝ち、その政策が実行される可能性が高いと、
投資家が先に判断した結果
と理解すると、初心者の方にも分かりやすいでしょう。
もし、この期待が外れたらどうなるのか?
今回の株高は、
「積極財政が実行される可能性が高い」という期待を先取りした相場
でした。
そのため、この前提が崩れた場合、
相場の流れが変わる可能性があります。
たとえば、
・衆議院解散が見送られる
・選挙は行われたが、与党が想定ほど勝てなかった
・勝利しても、財政規律を重視する方向に政策が修正される
・公約していた積極財政が想定より小規模にとどまる
といった展開になった場合です。
株式市場は、
「期待が現実にならなかった」と判断すると、
それまで先回りして買われていた分を調整する動きを見せやすくなります。
この場合、
・積極財政への期待が後退する
・景気押し上げ効果が限定的と見られる
・企業業績の改善見通しが修正される
といった形で、
株価は一時的に下落したり、上昇が止まったりする可能性があります。
ただし重要なのは、
これは必ずしも「急落」を意味するわけではない、という点です。
今回のような相場では、
・期待が少し剥がれるだけで、横ばいになる
・短期的に調整した後、別の材料で再び動き出す
といったケースも多く見られます。
つまり、
株価は「良いニュースが出たから上がる」のではなく、
「想定していた未来と、実際の展開との差」で動く
ということです。
今回の日本株高を理解するうえでは、
・何が期待されて上がったのか
・その期待は、今後も維持されそうか
・それとも修正される可能性があるのか
この視点を持って相場を見ることが、
初心者の方にとっても非常に重要になります。
なぜ同時に円安が進んだのか?
今回の円安は、
「これが原因です」と1つに決めつけられるものではなく、
いくつかの要因が同時に働いた結果 と考えると理解しやすくなります。
今回の円安を説明する主要な要因は、次の3つです。
・積極財政への期待が強まり、国債増発(財政拡張)が意識された
・景気刺激によるインフレ期待が高まり、「円の価値が目減りする」見方が出た
・株高で市場が強気(リスクオン)になり、円を売って外貨・リスク資産へ資金が動きやすくなった
ここから、それぞれを順番に見ていきます。
1.積極財政=国債増発(財政拡張)への警戒
積極財政とは、景気を押し上げるために政府が支出を増やす政策です。
支出を増やすには財源が必要で、一般的には
「税収の増加」か「国債の発行(借金)」が意識されます。
市場で「国債が増えるかもしれない」という見方が強まると、
海外投資家を中心に
「日本の財政負担が重くなるのでは?」
という懸念が出て、円を売る材料になりやすくなります。
2.インフレ期待の高まり(通貨の価値が目減りする見方)
政府支出が増えると、景気は良くなりやすい一方で、
需要が増え、物価が上がりやすくなる(インフレ)とも考えられます。
インフレが進むと、同じ1万円で買えるモノが減るため、
通貨の購買力は下がります。
そのため投資家は、
「円の価値が相対的に下がるかもしれない」
と考え、円を売る方向に動くことがあります。
3.株高=リスクオンによる円売り
日本株が大きく上昇する局面では、単に株価が上がっているだけでなく、
投資家の心理や資金の動き方そのものが変化 します。
日本株の高騰は、
景気や政策、企業業績に対して
「これから良くなりそうだ」という見方が市場全体に広がったサインです。
これは、投資家が慎重な姿勢から、より強気な姿勢へ切り替わった状態、
いわゆる 「リスクオン」 を意味します。
リスクオンの局面では、
不安なときに選ばれやすい
「円のまま保有しておく」という行動の優先度が下がります。
投資家は、
・円で待機するよりも
・値上がりが期待できる株式や外貨建て資産に資金を移したい
と考えるようになります。
特に、日本株が急騰すると、
日本株をきっかけに市場全体が強気になり、
日本株だけでなく、海外株式や外貨建て資産など、
よりリスクを取る投資へ資金が広がりやすくなります。
このとき、資金の流れは
円を売る
→ 外貨を買う
→ 株式やリスク資産を購入する
という形になりやすく、
結果として 円売り・円安が進みやすくなります。
円は世界的に見ると、
市場が不安定なときには買われやすい「比較的安全な通貨」ですが、
日本株が高騰し、市場が強気になる局面では、
その安全性よりもリターンが重視され、売られやすくなる特徴があります。
今回のような日本株の急騰局面では、
「株高によるリスクオンが、円を資金の待機場所から、
投資に向かうための通過点へ変えた」
と考えると理解しやすいでしょう。
「金利が上がれば円高では?」という疑問について
一般論では、
金利が上がると通貨は買われやすくなります。
ただ今回の金利上昇は、
成長期待よりも
「財政拡張や国債増発への警戒」
という側面が強く意識されました。
そのため、
円買いよりも円売りが優勢になったと考えられます。
今回の相場を一言でまとめると
今回の動きは、
政治イベントをきっかけに、期待が一気に先行した相場 です。
・株は「景気対策への期待」で急騰
・円は「財政・インフレ・リスクオン」で下落
という構図になりました。
注意点:この相場は変動しやすい
今回の株高と円安は、
実績ではなく「期待」が中心です。
・解散の正式発表
・選挙結果
・具体的な経済政策
これら次第で、相場は簡単に方向を変えます。
初心者の方ほど、
「なぜ動いたのか」を理解しながら、
冷静に相場を見ることが大切です。



























































































































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