今日の話は、TikTokの創業者がCEOを辞任したという話です。
中国のIT系の起業家にも、いろんな変化があるようです。
さらに、中国政府の動きも絡んでいる。
今日の記事はそんな内容のようです。
では、ストーリーに入っていきます。
Zhang Yiming built ByteDance into one of the biggest names in Chinese tech. Now he’s stepping down as CEO at just 38 years old, becoming the latest young tech entrepreneur in China to quit while leading a company on the rise.
チャン・イーミンは、ByteDanceを中国のテクノロジーの最大の名前の1つに組み込みました。 現在、彼はわずか38歳でCEOを辞任し、上昇中の企業を率いていながら辞任した中国で最新の若いハイテク起業家になります。
すごく若いCEOですね。
ByteDanceはTikTokを作った会社です。
彼は、ByteDanceを中国のテクノロジー企業の1つに成長させました。
そして、38歳の若さでCEOを辞任。
最も若してCEOをやめた中国のハイテク企業の起業家になります。
Zhang – who founded Tiktok owner ByteDance in Beijing nine years ago – announced Wednesday that he would transition to a new role at the company at the end of this year and “focus on long-term strategy.”
9年前に北京でTiktokのオーナーであるByteDanceを設立したチャンは、水曜日に、今年の終わりに同社の新しい役割に移行し、「長期戦略に焦点を合わせる」と発表しました。
CEOを辞任すると言っても、会社を辞めるという訳ではないようです。
CEOを辞めたあとは、別の新しい役割に移ると言っています。
それは、長期戦略に焦点を合わせることだということ…。
CEOじゃできないことなんでしょうか?
”Since the beginning of this year, I’ve spent a lot of time thinking about how to better drive real long-term breakthroughs,” Zhang wrote in a letter to employees that the company posted publicly.
「今年の初め以来、私は本当の長期的なブレークスルーをより良く推進する方法について考えることに多くの時間を費やしてきました」とチャンは会社が公に投稿した従業員への手紙に書いた。
チャンさんは、話しています。
チャンさんは、今年の始め以降、本当の長期的なブレークスルーを推進する方法を考えてきたんだと。
それに多くの時間をかけてきた。
社内に向けては、従業員へのメッセージとしてこれを書いて知らせてきたようです。
He added that he made the decision after several months of thinking, and decided that leaving the “day-to-day responsibilities” behind would allow him to have “greater impact on longer term initiatives.”
彼は、数ヶ月の考えの後に決定を下し、「日々の責任」を後にすることで、「長期的なイニシアチブにより大きな影響を与える」ことができると判断したと付け加えました。
そのような長期的なブレークスルーを考えるためには、日々の責任から外れたいということのようです。
日々の責任に追われていると、長期的なことを考えられない。
だから、CEOから退くということを考えたということのようです。
“The truth is, I lack some of the skills that make an ideal manager,” he said. “I’m not very social, preferring solitary activities like being online, reading, listening to music, and daydreaming about what may be possible.”
「真実は、私は理想的なマネージャーを作るスキルのいくつかを欠いている」と彼は言った。 「私はあまり社交的ではなく、オンラインであること、読書、音楽を聴くこと、そして何が可能かについて空想にふけることなどの孤独な活動を好みます。」
本当のことを言うと、チャンさんは理想的なマネージャーのスキルがいくつか欠けていると考えている。
社交的ではなく、孤独な活動の方を好む。
インターネットにつながっていたり、読書したり、音楽を聴いたり、空想にふけったり…。
会社のCEOとしていろんな人と接するのが苦手というようです。
Liang Rubo, ByteDance co-founder and head of human resources, will succeed Zhang as CEO. Zhang’s decision to depart may seem odd, particularly when compared to the paths followed by his counterparts at Western tech firms. ByteDance has experienced a meteoric rise over the last couple of years.
ByteDanceの共同創設者で人事部長のリャン・ルボが、チャンの後任としてCEOに就任します。チャンの出発の決定は、特に西洋のハイテク企業の彼の対応者がたどった道と比較すると、奇妙に思えるかもしれません。 ByteDanceは、過去2年間で急激な上昇を経験しています。
チャンさんの後任は、ByteDanceの共同創設者で人事部のリャンさん。
現職からすると、会社組織を考える側の人のように思えます。
このような動きは、西側のハイテク企業の起業家の動きと比べると奇妙に見えるかもしれない。
西側のハイテク企業の起業家なら、どうするんしょうかね?
会長職に退いて、慈善活動をするか、バイアウトするって感じでしょうか?
そうではなくて、チャンさんはCEOから退いた後も会社で別の役割を担う。
Zhang oversaw a handful of big acquisitions that helped ByteDance become a global name – including a 2017 deal for Musical.ly, a video sharing app that ByteDance merged with TikTok. The popularity of its flagship app has exploded, becoming one of the only Chinese-made apps to gain significant traction outside its home country.
チャンは、ByteDanceがTikTokと統合されたビデオ共有アプリであるMusical.lyの2017年の契約を含め、ByteDanceが世界的な名前になるのに役立ったいくつかの大規模な買収を監督しました。 フラッグシップアプリの人気は爆発的に高まり、自国以外で大きな注目を集めている唯一の中国製アプリの1つになりました。
チャンさんは、そんなことを言っていますが、ByteCanceが世界的な企業になるためのいくつかの買収を指揮した。
フラッグシップアプリとは、TikTokのことを言っていると思いますが、爆発的に人気が出た。
TikTokは言われるまでもなく、中国以外でも注目を集めている唯一のアプリとなった。
Even after TikTok was embroiled in a dramatic battle in the United States last year over concerns that the app posed a national security risk, it has managed to stave off a ban and remains popular. It has about 100 million users in the United States alone. (TikTok has called the national security claims unfounded.)
TikTokは、アプリが国家安全保障上のリスクをもたらすという懸念をめぐって昨年米国で劇的な戦いに巻き込まれた後も、禁止を回避し、人気を維持しています。 米国だけでも約1億人のユーザーがいます。 (TikTokは国家安全保障の主張を根拠のないものと呼んでいます。)
昨年、アメリカがTikTokは国家安全保障上のリスクがあると言って、使用停止しようとしました。
その頃は、トランプ大統領がコメントを毎日のようにしていたり、かなりニュースをにぎわしました。
それでも、何とか禁止を回避して人気を維持し続けている。
TikTok側は、当然のごとく、アメリカの主張を否定しています。
“stave off”は「辛うじて避ける」というような意味です。
ByteDance is also reported to be considering a massive IPO, according to multiple media outlets. Bloomberg has reported that the company has been valued at $250 billion in private trades.
複数のメディアによると、ByteDanceは大規模なIPO(Initial Public Offering:新規公開株)を検討しているとも報告されています。 ブルームバーグは、同社が民間取引で2500億ドルと評価されていると報告しています。
一方で、ByteDanceはIPO(新規公開株)を検討しているとも言われています。
IPOというのは、非上場・未公開の企業が株式等を証券取引所(株式市場)に上場(公開)させることをいいます。
ブルームバーグによると、2,500億円の価値があると評価されている。
25兆円以上ですか…。
すごいです。
“Zhang was a young software engineer without significant business experience when he suddenly found himself running a massive company in rapidly shifting markets while operating in an extremely complex regulatory and political environment,” said Brock Silvers, chief investment offer at Hong Kong-based Kaiyuan Capital.
香港を拠点とするカイユアン・キャピタルの最高投資責任者であるブロックシルバーズは、次のように述べています。「チャンは、急速に変化する市場で大企業を経営していることに突然気付いたとき、非常に複雑な規制および政治環境で業務を行っている、ビジネス経験のない若いソフトウェアエンジニアでした。」
香港を拠点をする投資会社のシルバーズさんは、チャンさんを評して次のように言っています。
チャンさんは、ビジネスを始めた当初は何も経験のない若いソフトウェアエンジニアだった。
しかも、中国というとても複雑な規制があり、政治的にも特殊な環境。
そんな中で、ビジネスを始めた。
While Liang’s appointment as CEO indicates the company isn’t changing strategy, it’s unwelcome news ahead of a possible IPO. “Founders suddenly abandoning their celestial perches may well signal a significant red flag to public markets,” Silvers added.
リンがCEOに任命されたことは、同社が戦略を変更していないことを示していますが、IPOの可能性を前にした歓迎すべきニュースではありません。 「創設者が突然素晴らしい場所を放棄したことは、公的市場に重大な危険信号を示す可能性が高い」とシルバーズ氏は付け加えた。
リンさんがチャンさんの後を引き継ぐことは、ByteDanceの路線が変わらないことを示している。
でも、それは株式公開には良いニュースではない。
チャンさんがCEOという地位を突然手放したということには何かあるのではないか?という憶測が伴うからでしょう。
“celestial”は「天空の」とか「非常に美しい」とかいう意味。
“perch”は「止まり木」とか「有利な場所」とかいう意味。
ここでは、「素晴らしい場所」と訳しました。
Zhang’s move, though, follows similar decisions by some of his peers. Colin Huang Zheng, the 41-year-old founder of e-commerce company Pinduodou (PDD), announced in March that the would step down as chairman to purpose other goals, including his childhood dream of becoming a scientist or researcher. He had taken the firm from nothing to platform capable of competing with Alibaba in less than a decade.
チャンの動きは、しかし、彼の仲間の何人かによる同様の決定に従っています。 電子商取引会社Pinduodou(PDD)の創設者である41歳のコリン・ハン・ジェン氏は、3月に、科学者や研究者になるという子供の頃の夢など、他の目標を達成するために会長を辞任すると発表しました。 彼は、10年足らずで、会社をゼロからアリババと競争できるプラットフォームに変えました。
チャンさんの動きは、他のIT系の起業家の動きと同じようです。
PDDの創設者である41歳のコリン・ハン・ジェンさんも、3月に自分の会社を辞任すると発表した。
PDDというのは、10年足らずでゼロからアリババと競争できるプラットフォームを作った電子商取引会社。
辞任の理由は、彼の子供のころからの夢であった科学者や研究者になるということ。
チャンさんが会社トップとしての役割を辞めたいと言っているのと理由が似ています。
These top tech executives have a lot to worry about right now as Beijing works to resign in the sector.
北京がこの分野での辞任に取り組んでいるため、これらのトップテクノロジーエグゼクティブは今、多くのことを心配しています。
北京がこの分野での辞任に取り組んでいるというのは何なんでしょう?
北京というのは、たぶん中国政府ということなんだろうと思います。
その動きが、中国のトップテクノロジーのエグゼクティブの心配事になっているようです。
Chinese President Xi Jinping has been calling for curbs on the internet sector to “maintain social stability.” Regulators have imposed record fines on Alibaba (BABA), ordered an overhaul of its financial affiliate Ant Group, and launched antitrust investigations into Tencent (TCEHY) and Meituan.
中国の習近平国家主席は、「社会の安定を維持する」ためにインターネット部門の抑制を求めてきた。 規制当局は、アリババ(BABA)に記録的な罰金を科し、その金融関連会社であるAnt Groupの徹底的な点検を命じ、Tencent(TCEHY)とMeituanに対する独占禁止法の調査を開始しました。
中国政府の習近平国家主席は、「社会の安定の維持」のために、インターネット部門の規制を呼び掛けてきていた。
そんな印象はありますね。
常に、何かと規制をかけているという印象はあります。
”curb”は「歩道の縁石」という意味もありますが、「抑制、制限」という意味もあります。
それが現実化しているのが、規制当局は、アリババへの記録的な罰金。
それに加えて、グループ会社の徹底的な点検も求めた。
”overhaul”は「徹底的な点検」という意味。
日本語でも「全部交換」というような意味で使いますよね。
あと、関連会社2社も独禁法違反の調査を開始した。
なかなか、厳しい対応です。
Tech leaders who maintain close ties to their companies risk getting caught up in the crackdown. Alibaba co-founder Jack Ma – who resigned as executive chairman in 2019 – has been subject to intense security after he criticized financial regulators last fail, and watched as Beijing pulled an IPO for Ant Group at the last minutes. Ma, who was famous for being an outspoken celebrity entrepreneur, has since shirked the limelight.
企業と緊密な関係を維持している技術リーダーは、取り締まりに巻き込まれるリスクがあります。 アリババの共同創設者であるジャック・マー(2019年に会長を辞任した)は、金融規制当局が最後に失敗したことを批判した後、厳しいセキュリティにさらされており、北京が最後の最後にアントグループのIPOを引っ張るのを見ていた。 率直な有名人起業家として有名だった馬は、それ以来脚光を浴びている。
この流れからすると、会社と緊密な関係を維持している技術系のリーダーは、取り締まりの巻き込まれる可能性があるようです。
”crackdown”は「取り締まり、弾圧」という意味。
アリババの創業者のジャック・マーは、厳しいセキュリティにさらされている。
“subject”は「支配を受ける」という意味。”intense”は「激しい、強烈な」という意味。
それは、金融規制当局が失敗したと批判した後から。
それは、アントグループが株式公開する最後の最後に北京当局が監視していたということ。
”at the last minute”は「最後の最後に」という意味。
アントグループが株式公開するときに、最後の最後でチャチャを入れてきたということでしょうか?
でも何もなかった。
そして、ジャック・マーが批判すると、中国当局は監視を強めたという感じのようです。
Others have found themselves pulled into controversy, even unintentionally. Earlier this month, Meituan lost billions in market value after founder and CEO Wang Xing posted a 1,100-year-old poem interpreted as a veiled shot at the government. Wang later explained he was referring to Meituan’s industry competitors, but shares were still ratted.
他の人たちは、意図せずにさえ、論争に巻き込まれていることに気づきました。 今月初め、Meituanの創設者兼CEOのワン・シンさんが政府へのベールショットと解釈される1100年前の詩を投稿した後、Meituanは数十億の市場価値を失った。 ワンは後に、Meituanの業界の競合他社に言及していると説明しましたが、株式は依然として評価されていました。
この様子を見て、他のIT起業家も、自分たちが知らない間に論争に巻き込まれていることに気付いた。
今月の初め、MeituanのCEOのワンさんが政府へのベールショット(隠された批判?)と解釈されるような投稿をしたところ、Meituanの価値は数十億ドルも下がってしまった。
ワンさんは、これは政府に対して言ったのではなく、競合他社に対して言ったものだと説明した。
でも、評価はガタガタなままです。
”rattle”は「ガタガタさせる」という意味。
“The environment is now so opaque and difficult that even the iconic master-operator Jack Ma has paid a very dear price for missteps,” Silvers said. “Zhang Yiming and Colin Huang are intensely aware of this example, and their desire to not follow in Ma’s most recent footsteps probably played at least some role in their respective decisions to step down.”
「現在、環境は非常に不透明で困難であるため、象徴的なマスターオペレーターのジャック・マーでさえ、失敗に対して非常に高額な代償を払っています」とシルバーズ氏は述べています。 「チャン・イーミンとコーリン・ハンはこの例を強く認識しており、マーの最近の足跡をたどりたくないという彼らの願望は、おそらくそれぞれの辞任の決定において少なくとも何らかの役割を果たした」と語った。
香港の投資会社のシルバーズさんは説明しています。
中国のIT企業経営者を取り巻く現在の状況は、とても不透明で困難。
象徴的な経営者のジャック・マーでさえ、失敗して高額な代償を払っている。
チャンさんとコーリンさんは、この状況を強く意識している。
ジャック・マーと同じようにはなりたくないという彼らの願望が、今回の辞任に何らかの役割を果たしたというべきだ。
中国政府との関係が、今回の辞任に何らかの影響を及ぼしているということです。
While “this may be beneficial or necessary from Beijing’s standpoint,” he added, “over the longer term it cannot bode well for China’s tech ecosystem.”
「これは北京の観点からは有益または必要かもしれないが、長期的には中国の技術エコシステムにとって良い前兆とはならない」と彼は付け加えた。
このように、自分たちの意にそわないIT企業のリーダーにプレッシャーをかけることは、中国政府にとっては有益または必要なことかもしれない。
でも、長期的には、良いことでは無いのではないか?とシルバーズさんは言っています。
まぁ、そうですよね。
外国の投資家からすると、いつ政府の介入があるかもしれないような会社に投資をするのは、二の足を踏んでしまうと思います。
今日は、TikTokのCEOが辞任するという話の裏には、結構いろんなことが関係しているという話でした。
明日もまた頑張ります。
こうぷー
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