
お酒をやめると、人生は良くなる。
断酒について調べると、そんな言葉をよく目にします。
確かに、お酒をやめて体調が良くなった、仕事に集中できるようになった、人生が前向きになった──そうした話はたくさんあります。
実際、私自身も「断酒してよかった」と思う場面は少なくありません。
私自身、断酒を始めてから長い時間が経ちました。
断酒2400日を超えた今、何が変わり、何が変わらなかったのかについては、別の記事で詳しく書いています。
ただ、正直に言えば。
お酒をやめて、確実に失ったものもあります。
それは、気合や努力でどうにかなるような話ではありません。
「慣れれば平気」「他の楽しみで代替できる」という種類のものでもありません。
むしろ、
断酒を始めたばかりの頃や、続けるか迷っている時ほど、
この“失ったもの”の存在は、強く、重くのしかかってきます。
私自身、何度もこう思いました。
「ここまで我慢できたんだから、もう少し上手に飲めるんじゃないか」
「節酒という形なら、やっていけるんじゃないか」
でも、結局その考えに戻ることはありませんでした。
この記事では、
お酒をやめて私が実際に失ったものを、きれいごと抜きで書きます。
そして、それでもなお、なぜ私は断酒を続けているのかについて、今の正直な気持ちを整理します。
断酒を迷っている人。
節酒という選択肢が頭から離れない人。
「失うものが大きすぎる」と感じて立ち止まっている人。
そんな人にとって、
この文章が判断材料のひとつになれば幸いです。
お酒をやめて「確実に失ったもの」
① もう二度と味わえない「酔いの感覚」
お酒をやめて、まず最初に失うのは、
あの独特の酔いの感覚です。
少し酔って、肩の力が抜けて、
頭の中がふわっと軽くなる感覚。
嫌なことが一時的にどうでもよくなる感覚。
これは、はっきり言ってしまうと、
お酒以外では代替できません。
運動をしても、映画を観ても、
どんなに美味しいものを食べても、
あの感覚と同じものは得られません。
それは、お酒が「嗜好品」である以前に、
脳に直接作用する薬物だからです。
断酒をするということは、
この感覚を「もう二度と味わわない」と決めることでもあります。
これは、美談でも精神論でもなく、
現実として失われるものです。
② 一日の終わりにあった「至福の時間」
仕事を終えたあとの一杯。
休日に汗をかいたあとのビール。
料理と一緒に楽しむワインやウイスキー。
こうした時間は、
単にお酒を飲んでいたというだけではなく、
**「一日を終わらせる儀式」**のような役割を持っていました。
お酒をやめると、
この“区切り”がごっそり消えます。
一日を頑張ったあとに、
強制的にスイッチをオフにしてくれる存在がなくなる。
この喪失感は、
断酒を始めたばかりの頃ほど強く感じます。
③ 無条件に「幸せだ」と感じられる瞬間
お酒を飲むと、
理由がなくても、なんとなく幸せな気分になれました。
明日が不安でも、
仕事がうまくいっていなくても、
人間関係に疲れていても。
酔っている間だけは、
それらを考えずに済んだ。
断酒をすると、
この「理由なき幸福感」は消えます。
嬉しいことがなければ嬉しくならない。
楽しいことがなければ楽しくならない。
ごまかしが効かなくなる分、
精神的にはむしろシビアになります。
④ お酒を介して築いてきた人間関係
お酒を通じてできた人間関係も、
少なからず失われます。
飲み会、宴席、二次会。
お酒があったからこそ生まれた距離感。
断酒をすると、
そうした場に「同じテンション」で参加することはできません。
もちろん、
お酒がなくても人間関係は作れます。
ただ、
手軽さは確実に失われます。
これは、断酒のデメリットとして
正直に認めていい部分だと思っています。
それでも私が「節酒」ではなく断酒を選んだ理由
ここまで書いてきた通り、
断酒は失うものの多い選択です。
正直に言えば、
私も何度も「節酒でいいのではないか」と考えました。
実際、私の場合、
その日の酒量をコントロールできていた時期もあります。
でも、
飲まない日を作ることが、少しずつできなくなっていきました。
最初は「今日は控えめに」。
次は「今日くらいはいいか」。
気づけば、毎日飲む生活に戻っていました。
節酒は、
一見すると理性的な選択に見えます。
でも、私にとっては、
一番つらく、消耗する状態でした。
飲むか、飲まないか。
毎日、毎回、判断を迫られる。
断酒は「決めてしまえば終わり」ですが、
節酒は「永遠に迷い続ける」選択だったのです。
「節酒でうまくやれる気がする」という感覚については、
なぜそれが必ず行き詰まるのかを、別の記事で整理しています。
失ったもの以上に、失いたくなかったもの
断酒を続けている理由は、
「意識が高いから」でも
「人生が劇的に好転したから」でもありません。
一番の理由はシンプルです。
これ以上、人生を壊したくなかった。
健康。
信頼。
自分自身への信用。
お酒を飲んでいた頃、
私はこれらを少しずつ削っていました。
断酒は、
失うものも多いですが、
「これ以上失わないための選択」でもあります。
断酒を続けることが、なぜここまでしんどく感じるのか。
その理由自体について書いた記事もあります。
まとめ|失うと分かっていても、断酒を続けている理由
お酒をやめると、
確かに多くのものを失います。
酔いの感覚。
至福の時間。
無条件の幸福感。
気軽な人間関係。
それでも、
断酒を続けている人がいるのは、
それ以上に守りたいものがあるからです。
もし今、
「失うものが大きすぎる」と感じているなら、
その感覚は正しいです。
無理に前向きになる必要はありません。
ただ一つだけ言えるのは、
節酒で悩み続けるより、断酒で覚悟を決めたほうが楽になる人もいる
という事実です。
この記事が、
あなた自身の選択を考える材料になれば幸いです。
もし今、
「じゃあ、具体的にどうやって断酒を続ければいいのか」
という段階にいるなら、こちらの記事が参考になるかもしれません。
こうぷー
この話全体の位置づけは、
👉【断酒・禁酒のリアル|全体マップ】で整理しています。































































































































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