今日は、久々にまじめな経済の話。
円安が進んでいます。
いろんなものの値段が上がり始めています。
小麦の値段が上がっているので、パンの値段が上がっていますし、お菓子も上がっています。
ガソリンの価格も上がっていますし、電気も値上がりしています。
このような状況を、経営者や日銀総裁がどのようにとらえているのか。
そんな記事がブルーム・バーグ(Bloomberg)で書かれていました。
今日はこの話題を取り上げようと思います。
まずは記事全体を読んでみたいと思います。
経済同友会の調査によると、日本の経営者の約74%が円安が国民経済に悪影響を及ぼしていると述べている。
Just over 30% of respondents report the yen, which is pushing fresh 20-year lows against the dollar, is eroding earnings, while 26% said it’s boosting profits. Almost 81% of those surveyed expect dollar-yen to remain under the 135 level.
回答者の30%強が、ドルに対して20年ぶりの安値を押し上げている円が収益を押し下げていると報告し、26%が利益を押し上げていると述べています。調査対象者のほぼ81%が、ドル円が135レベルを下回ると予想しています。
The respondents cited various negative implications from the yen’s slide, including reducing the value of Japanese companies, swelling the nation’s trade deficit and boosting import costs for households.
回答者は、日本企業の価値の低下、国の貿易赤字の拡大、家計の輸入コストの上昇など、円のスライドからさまざまなマイナスの影響を挙げました。
The comments contrast with Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda’s repeated assertion that a weaker yen is positive for the economy as a whole. Kuroda maintains that the BOJ should stick to monetary easing to support growth rather than using higher interest rates and a stronger currency to cool inflation.
このコメントは、日本銀行の黒田東彦総裁が、円安は経済全体にとってプラスであると繰り返し主張したこととは対照的です。黒田氏は、日銀はインフレを冷やすために高金利とより強い通貨を使用するのではなく、成長を支えるために金融緩和に固執するべきだと主張している。
では、1文ずつ文章を細かく見ていこうと思います。
経済同友会の調査によると(according to a survey conducted by the Japan Association of Corporate Executives)、日本の経営者の約74%が円安が国民経済に悪影響を及ぼしている(a weak yen is having a negative impact on the nation’s economy)と言っています。
最近、円安が国民の生活に悪影響を与えているというコメントが多くみられるようになってきています。
経済同友会の調査でも、経営者の約74%が円安は日本の国民経済に悪影響を及ぼしていると答えている。
良く言われているのが、物価がじわじわ上がっているということです。
“according to a survey conducted by the Japan Association of Corporate Executives”で「経済同友会の調査によると」と表現しています。
“survey”は「調査」という意味。
“according to ~”は「~によると」という意味で、記事でよく使われる表現ですね。
回答の30%強が、ドルに対して20年ぶりの安値を押し上げている円が収益を押し下げている(the yen, which is pushing fresh 20-year lows against the dollar, is eroding earning)と報告し、26%が利益を押し上げている(while 26% said it’s boosting profits)と述べています。
調査対象のほぼ81%が、ドル円が135円のレベルを下回ると予想しています(expect dollar-yen to remain under the 135 level)。
回答の30%が円安が収益を減らしていると言い、26%が逆に利益を押し上げていると言っている。
まぁ、輸入産業か輸出産業かの違いだと思います。
輸入産業は厳しく、輸出産業は有利だということでしょう。
“the yen, which is pushing fresh 20-year lows against the dollar, is eroding earning”で「ドルに対して20年ぶりの安値を押し上げている円が収益を押し下げている」と表現しています。
“which”以下が”the yen”を説明しています。
そこを除けば“the yen is eroding earning”で「円が収益を押し下げている」というだけになります。
“erode”は「侵食する」という意味や、「損なう」という意味があります。
回答者は、日本企業の価値の低下、国の貿易赤字の拡大(swelling the nation’s trade deficit)、家計の輸入コストの上昇など、円のスライドから様々なマイナスの影響を上げました(cited various negative implications from the yen’s slide)。
回答者は、さまざまな負の影響を述べているようです。
日本企業価値の低下、貿易赤字の拡大、輸入品の価格上昇による家計への影響など。
実際に、いろんなものの値段が上がり始めています。
小麦、ガソリン、外国で作ったものを輸入して販売する100円ショップも厳しい状況だということは、以前取り上げました。
“swelling the nation’s trade deficit”で「国の貿易赤字の拡大」と訳しています。
“swell”は「膨張する、拡大する」という意味。
“deficit”は「赤字額、損失」という意味です。
このコメントは、日本銀行の黒田東彦総裁が、円安は経済全体にとってプラスであると繰り返し主張したこととは対照的です(contrast with Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda’s repeated assertion that a weaker yen is positive for the economy as a whole)。
黒田氏は、日銀はインフレを冷やすために高金利とより強い通貨を使用するのではなく(rather than using higher interest rates and a stronger current to cool inflation) 、成長を支えるために金融緩和に固執するべきだと主張している(maintains that the BOJ should stick to monetary easing to support growth)。
経営者の考え方は、日銀の黒田総裁のコメントとは対照的です。
日銀の黒田総裁は、円安は、全体として日本にとってプラスだと繰り返し言っている。
そのため、インフレを抑えるために金利を上げるのではなく、成長を支えるために金融緩和を続けるべきだと言っている。
でも最近言われているのは、日本はここ20年ぐらい賃金が全く上がらず、これで物価が上がると、人々の生活は苦しくなるということです。
“maintains that the BOJ should stick to monetary easing to support growth”で「成長を支えるために金融緩和に固執するべきだと主張している」と訳しています。
“stick”は「固執する」という意味の動詞です。
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