【英字新聞を読む】日本は「一方的な」円の動きに対処するための介入の可能性を警告!

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円安が進んでいます。

144円台にまで進んでいて、ダン高橋などは、160円まで行くと言っています

円安は、輸出企業にとっては、利益が増えるので良いという面もあります。

一方で、資源や食料などを輸入に頼っている日本にとっては、生活必需品が高騰するという悪い面もあります。

あまりに急速な円安は、国民の生活にとって望ましくないということで、日本政府がコメントを出しました。

「これ以上の円安には、市場介入の可能性もある」というのがコメント。

財務大臣と官房長官が行いました。

しかし、全く効果がなかったようです。

今日はこの話題を取り上げようと思います。

まずは記事全体を読んでみたいと思います。

Japan warns of possible intervention to address 'one-sided' yen moves
Japan on Wednesday signaled it may intervene if the yen continues its rapid depreciation, warning it will take necessary action as “rapid and one-sided” moves drove the currency to a fresh 24-year low against the U.S. dollar.
日本政府は水曜日、円が急速な減価を続けた場合、介入する可能性があることを示唆し、「急速で一方的な」動きが通貨を米ドルに対して24年ぶりの安値に押し上げたため、必要な措置を取ると警告した.

Finance Minister Shunichi Suzuki said yen moves should be stable and reflect economic fundamentals, calling for stability in currency markets. Top government spokesman Hirokazu Matsuno expressed “concern” about the yen’s fall, saying Japan is ready to take action if recent trends continue. He did not elaborate further, however.
鈴木俊一財務相は、円の動きは安定して、経済のファンダメンタルズを反映しているべきだと述べ、為替市場の安定を求めた。政府トップの松野弘和官房長官は、円安について「懸念」を表明し、最近の傾向が続けば日本は行動を起こす用意があると述べた。しかし、彼はそれ以上詳しく説明しませんでした。

“Recent moves are rather rapid and one-sided,” Suzuki told reporters. “We need to be watching developments with strong interest.” The latest verbal warnings failed to stop the yen’s further fall past 144 versus the dollar on Wednesday. It had traded in the 140 zone earlier this week.
「最近の動きはかなり急速で一方的だ」と鈴木氏は記者団に語った。「強い関心を持って動向を注視する必要がある。」最新の口頭警告は、水曜日の対ドルで 144 円を超える円のさらなる下落を止めることができませんでした。今週初めに140ゾーンで取引されていました。

Japan has not stepped into the currency market by selling the dollar and buying the yen since 1998. Currency market analysts view the possibility of intervention as still low.
日本は 1998 年以来、ドルを売って円を買うという通貨市場への介入を行っていません。通貨市場のアナリストは、介入の可能性は依然として低いと見ています。

A weak yen cuts both ways for Japan as it boosts overseas profits for exporters when repatriated but inflates import costs for energy, food and other items. As inflation is picking up, the rapidly falling yen is creating a headache for resource-poor Japan.
円安は、輸出業者の海外での利益を押し上げる一方、エネルギー、食料、その他の品目の輸入コストを上昇させるため、日本にとっては双方向の打撃となる。物価上昇が加速する中、急速な円安が資源の乏しい日本にとって頭痛の種となっている。

では、1文ずつ文章を細かく見ていこうと思います。

Japan on Wednesday signaled it may intervene if the yen continues its rapid depreciation, warning it will take necessary action as “rapid and one-sided” moves drove the currency to a fresh 24-year low against the U.S. dollar.
日本政府は水曜日、円が急速な減価を続けた場合、介入する可能性があることを示唆し、「急速で一方的な」動きが通貨を米ドルに対して24年ぶりの安値に押し上げたため、必要な措置を取ると警告した.

日本政府は水曜日、円が急速な減価を続けた場合、介入する可能性があることを示唆し(signaled it may intervene if the yen continues its rapid depreciation)「急速で一方的な」動きが通貨を米ドルに対して24年ぶりの安値に押し上げたため、必要な措置を取ると警告した(waring it will take necessary actions as “rapid and one-sided” moves drove the currency to a fresh 24-year low against the U.S. dollar)

日本政府が、急速に進む円安について、市場に対して警告を発したようです。

このまま、円安が続く場合、市場介入する可能性があるとほのめかした。

昨日、円は1ドルに対して144円でした。

このコメントが出されたのは、140円ぐらいの時だったと思います。

“signaled it may intervene if the yen continues its rapid depreciation”で「円が急速な減価を続けた場合、介入する可能性があることを示唆した」と訳しています

“signal”は名詞では「信号」という意味。極めて有名ですが、動詞では「合図を送る」とか「示唆する」という意味があります。

Finance Minister Shunichi Suzuki said yen moves should be stable and reflect economic fundamentals, calling for stability in currency markets. Top government spokesman Hirokazu Matsuno expressed “concern” about the yen’s fall, saying Japan is ready to take action if recent trends continue. He did not elaborate further, however.
鈴木俊一財務相は、円の動きは安定して、経済のファンダメンタルズを反映しているべきだと述べ、為替市場の安定を求めた。政府トップの松野弘和官房長官は、円安について「懸念」を表明し、最近の傾向が続けば日本は行動を起こす用意があると述べた。しかし、彼はそれ以上詳しく説明しませんでした。

鈴木俊一財務相は、円の動きは安定して、経済のファンダメンタルズを反映しているべきだと(yen moves should be stable and reflect economic fundamentals)述べ、為替市場の安定を求めた。政府トップの松野弘和官房長官は、円安について「懸念」を表明し(expressed “concern” about the yen’s fall)最近の傾向が続けば日本は行動を起こす用意がある(Japan is ready to take action if recent trends continue)と述べた。しかし、彼はそれ以上詳しく説明しませんでした(did not elaborate further)

鈴木財務大臣は、円は安定して、日本の経済のファンダメンタルをキチンと反映するべきだとコメントした。

すなわち、この円安は、日本の経済的な強さをキチンと反映していないと言いたいようです。

そして、為替の安定を求めた。

一方で、松野官房長官も、急速に進む円安には警戒感を示し、これが続くようであれば、日本は行動を起こす用意があるとコメントした。

でも、どのような行動を起こすのかという、具体的な内容は説明しなかった。

“expressed “concern” about the yen’s fall”で「円安について「懸念」を表明した」と訳しています

“concern”は名詞では「心配ごと、関心ごと」、動詞では「心配する、関心がある」というような意味があります。

“Recent moves are rather rapid and one-sided,” Suzuki told reporters. “We need to be watching developments with strong interest.” The latest verbal warnings failed to stop the yen’s further fall past 144 versus the dollar on Wednesday. It had traded in the 140 zone earlier this week.
「最近の動きはかなり急速で一方的だ」と鈴木氏は記者団に語った。「強い関心を持って動向を注視する必要がある。」最新の口頭警告は、水曜日の対ドルで 144 円を超える円のさらなる下落を止めることができませんでした。今週初めに140ゾーンで取引されていました。

最近の動きはかなり急速で一方的だ(recent moves are rather rapid and one-sided)」と鈴木氏は記者団に語った。「強い関心を持って動向を注視する必要がある(we need to be watching developments with strong interest)。」最新の口頭警告は、水曜日の対ドルで 144 円を超える円のさらなる下落を止めることができませんでした(failed to stop the yen’s further fall past 144 versus the dollar on Wednesday)。今週初めに140ゾーンで取引されていました。

鈴木財務長官のコメントが続いています。

「日本政府は、この円安の状況について、中止する必要があると思っている」

「最近の円安の動きは急速かつ一方的過ぎる」と言っています。

でも、この発言にもかかわらず、実際には円安は止まらなかった。

140円台だったのが、144円まで円安が進んでしまった。

アメリカのFRB議長などのコメントと比較して、あまりの影響力のなさに驚いてしまいます。

パウエルFRB議長がコメントすると、株価は急速に下落するのと比較すると、全く相手にされていない感じすらあります。

Japan has not stepped into the currency market by selling the dollar and buying the yen since 1998. Currency market analysts view the possibility of intervention as still low.
日本は 1998 年以来、ドルを売って円を買うという通貨市場への介入を行っていません。通貨市場のアナリストは、介入の可能性は依然として低いと見ています。

日本は 1998 年以来、ドルを売って円を買うという通貨市場への介入を行っていません(has not stepped into the currency market by selling the dollar and buying the yen since 1998)。通貨市場のアナリストは、介入の可能性は依然として低いと見ています(views the possibility of intervention as still low)

鈴木財務大臣や松野官房長官が、為替市場への介入の可能性をコメントしていますが、日本は1998年以来そのようなことをやったことはない。

円安を止めるための市場介入の方法は、政府が市場から大量のドルを売って円を買うということで円高の方向に強引に持っていくというもの。

当然、大量のお金が必要になります。

でも、金融アナリストたちは、本気にはしていない。

実際に日本政府が為替市場で大量のドルを売って円を買うことはないと思っているようです。

“has not stepped into the current market by selling the dollar and buying the yen since 1998″で「1998年以来、ドルを売って円を買うという通貨市場への介入を行っていない」と訳しています

“step into ~”で「~に介入する、立ち入る」という意味です。

現在完了形で、1998年以来、ずっと介入して来ていないということを表現しています。

A weak yen cuts both ways for Japan as it boosts overseas profits for exporters when repatriated but inflates import costs for energy, food and other items. As inflation is picking up, the rapidly falling yen is creating a headache for resource-poor Japan.
円安は、輸出業者の海外での利益を押し上げる一方、エネルギー、食料、その他の品目の輸入コストを上昇させるため、日本にとっては双方向の打撃となる。物価上昇が加速する中、急速な円安が資源の乏しい日本にとって頭痛の種となっている。

円安は、輸出業者の海外での利益を押し上げる(boosts overseas profits for exporters)一方、エネルギー、食料、その他の品目の輸入コストを上昇させるため、日本にとっては双方向の打撃となる(cuts both ways for japan)。物価上昇が加速する中、急速な円安が資源の乏しい日本にとって頭痛の種となっている(is creating a headache for resource-poor Japan)

円安は、必ずしも悪いことばかりではありません。

輸出企業にとっては、円安は海外でのドル建てでの売り上げがたくさんの円に変わるので、利益を押し上げます。

一方で、輸入コストは増大します。

エネルギーなどは日本は外国しか買うしかないので、ガソリンの価格が高騰したりします。

なので、極端な円安は、もろ刃の剣です。

輸出企業にとっては、予想外の利益になる一方で、一般的に生活は厳しくなります

“is creating a headache for source-poor Japan”で「資源の乏しい日本にとって頭痛の種となっている」と訳しています

“is creating a headache”で「頭痛を作り出している」という表現方法をとっています。

今日は、急速に進む円安に対して、日本政府が市場介入をほのめかしたという話題を取り上げました。

でも、残念ながら、全く効果がなかったようで、逆に円安が進むという皮肉な結果に終わりました。

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

こうぷー

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