今月初めにペロシアメリカ下院議長が台湾を突然訪れたことは、衝撃を与えました。
中国は即座に反応して、台湾周辺で軍事演習を行いました。
さらに、ペロシアメリカ下院議長が去った後も演習は続けられました。
先週、アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問しました。これに対して中国は激怒しました。アメリカでは、下院議長というのは、大統領権限承継順位で、副大統領に次いで第3位という高い地位です。その人が、台湾を訪問したというのは、中国にとっては許せないものでした。このため、中国は台湾周辺で軍事演習と称して、実弾を打ち、脅しをかけました。ペロシ下院議長は、先週末には台湾を離れたので、軍事演習は一旦停止すると思われました。しかし、昨日になって、中国はさらに軍事演習を行うと発表しました。今日は、この話題を取り上... 【英字新聞を読む】中国はアメリカとの交渉を棚上げした後、台湾沖での軍事演習を... - こうぷーぶろぐ |
それらがひと段落したと思った、日曜日に今度はアメリカの議会代表団が台北を訪問しました。
ペロシ下院議長と同様、予告なしでの訪問。
中国は、これに対してまた講義を行っています。
今日はこの話題を取り上げようと思います。
まずは記事全体を読んでみたいと思います。
中国軍は、米国議会代表団が台北に到着した翌日の月曜日に、台湾周辺の海域と空域で戦闘警戒パトロールと軍事訓練を実施したと述べた。
Taiwan’s Ministry of National Defense said 30 Chinese People’s Liberation Army (PLA) warplanes and five vessels were detected in the Taiwan Strait on Monday.
台湾の国防省は、月曜日に台湾海峡で中国人民解放軍(PLA)の戦闘機30機と船舶5隻が発見されたと述べた。
A US congressional delegation led by Sen. Ed Markey arrived in Taipei on Sunday for a previously unannounced two-day visit that came on the heels of a trip from US House Speaker Nancy Pelosi earlier this month.
エド・マーキー上院議員が率いる米国議会代表団は、今月初めに米国下院議長ナンシー・ペロシの旅行に続いて、以前に発表されていなかった2日間の訪問のために日曜日に台北に到着しました。
At their Monday meeting, Taiwan’s President Tsai Ing-wen thanked the delegation for visiting at a “key moment” and for demonstrating their support for Taiwan with action.
月曜日の会合で、台湾の蔡英文総統は、代表団が「重要な瞬間」に訪問し、台湾への支持を行動で示したことに感謝した。
In response, Markey praised Tsai for her leadership, saying that he is “honored” to “stand next to Tsai and stand with Taiwan,” according to the statement from the president office.
総統府の声明によると、その返事で、マーキー氏は蔡氏のリーダーシップを称賛し、「蔡氏の隣に立ち、台湾と共に立つ」ことを「光栄に思う」と述べた。
In a statement Monday, China’s Defense Ministry called the congressional delegation’s trip an “ambush visit” that “violates China’s sovereignty and territorial integrity.” Beijing’s Foreign Ministry also decried the congressional visit in a regular news briefing Monday.
中国国防省は月曜日の声明で、議会代表団の訪問は「中国の主権と領土保全を侵害する」「奇襲の訪問」であると述べた。北京の外務省も、月曜日の定例記者会見で議会の訪問を非難した。
では、1文ずつ文章を細かく見ていこうと思います。
中国軍は、米国議会代表団が台北に到着した翌日の月曜日に(a day after the arrival of a US congressional delegation to Taipei)、台湾周辺の海域と空域で戦闘警戒パトロールと軍事訓練を実施した(it conducted combat alert patrols and military drills)と述べた。
ペロシアメリカ下院議長の台湾訪問に続いて、日曜日にアメリカの議会代表団も台湾を訪問したようです。
そして、それに対して、中国は、台湾周辺で戦闘警戒パトロールと軍事訓練を実施したと言った。
戦闘警戒パトロールと言っているところに、台湾は自国の領土という主張が見えるように思います。
“it conducted combat alert patrols and military drills”で「戦闘警戒パトロールと軍事訓練を実施した」と訳しています。
“conduct”は、「~を行う、実施する」などの意味で、ほぼ”do”の代わりに使える単語。
台湾の国防省は、月曜日に台湾海峡で中国人民解放軍(PLA)の戦闘機30機と船舶5隻が発見された(30 Chinese People’s Liberation Army warplanes and five vessels were detected)と述べた。
実際に、台湾の国防省は、月曜日に台湾海峡で中国人民解放軍を見つけていた。
その数は30機の戦闘機と5隻の船舶。
それなりにたくさんの軍事的な動きをしていたということが分かります。
“30 Chinese People’s Liberation Army warplanes and five vessels were detected”で「中国人民解放軍の戦闘機30機と船舶5隻が発見された」と訳しています。
“detect”は「見つける、気付く」という意味ですが「検出する、検知する」という感じですね。
エド・マーキー上院議員が率いる米国議会代表団は、今月初めに米国下院議長ナンシー・ペロシの旅行に続いて(came on the heels of a trip from US House Speaker Nancy Pelosi)、以前に発表されていなかった2日間の訪問のために(for a previously unannounced two-day visit)日曜日に台北に到着しました。
エド・マーキー上院議員を筆頭にするアメリカの議会代表団は、日曜日に台北に到着した。
これは、今月初めに行われたナンシー・ペロシアメリカ下院議長の台北訪問に続いたもの。
今回の米国代表団の訪問も、ペロシアメリカ下院議長と同じように事前には発表されていなかった。
“came on the heels of a trip from US House Speaker Nancy Pelosi”で「米国下院議長ナンシー・ペロシの旅行に続いて」と訳しています
“on the heels of ~” で「~のすぐ後に続いて」という意味。
“heel”が「かかと」なので、「かかとのすぐ後ろにいる」というイメージです。
月曜日の会合で、台湾の蔡英文総統は、代表団が「重要な瞬間」に訪問し、台湾への支持を行動で示したことに感謝した(thanked the delegation for visiting at a “key moment” and for demonstrating their support for Taiwan with action)。
台湾の蔡英文総統は、アメリカの議会代表団に対して、感謝の意を表明した。
ペロシアメリカ下院議長だけでなく、議会の代表団も台湾を支持するということを行動で示してくれたということに対して。
“thanked the delegation for visiting at a “key moment” and for demonstrating their support for Taiwan with action”で「代表団が「重要な瞬間」に訪問し、台湾への指示を行動で示したことに感謝した」と訳しています。
“demonstrate”は「実際にやって見せる、実演してみせる」という意味。
総統府の声明によると、その返事で、マーキー氏は蔡氏のリーダーシップを称賛し(praised Tsai for her leadership)、「蔡氏の隣に立ち、台湾と共に立つ」ことを「光栄に思う」(he is “honored”)と述べた。
台湾の蔡英文総統の感謝の言葉に対して、米国議会代表団のマーキー上院議員が答えています。
マーキー上院議員は、蔡英文総統のリーダーシップを称賛して、その横に並び、台湾とともに立っているということに光栄に思う、と言っています。
中国にとっては、苦々しい言葉だと思います。
中国は、これによってまた、軍事圧力を強めてくることが想定されます。
一部では、逆に中国にとっては、台湾への圧力を強める理由ができて良かったと思っているのではないか?との見方も出ています。
先週、ペロシアメリカ下院議長が台湾訪問を訪問した際、中国は激怒しました。いろんな対話を中断したり、台湾周辺を封鎖して軍事訓練を行ったり、いろんなことを行って、抗議しました。でも、実は中国はこのペロシ議長の台湾訪問を良い機会だと思っているのではないか?と言われ始めています。これを理由に軍事演習を常態化させ、台湾周辺で軍事的な圧力をかけ続けようとしている。今日は、この話題を取り上げようと思います。まずは記事全体を読んでみたいと思います。The hardliners in the upper echelons of the Chinese Communist... 【英字新聞を読む】中国による台湾の島周辺での威嚇的な軍事訓練から学んだこと! - こうぷーぶろぐ |
中国国防省は月曜日の声明で、議会代表団の訪問は「中国の主権と領土保全を侵害する」「奇襲の訪問」であると述べた(called the congressional delegation’s trip an “ambush visit” that “violates China’s sovereignty and territorial integrity”)。北京の外務省も、月曜日の定例記者会見で議会の訪問を非難した(also decried the congressional visit)。
中国としては、ここは非難をしておかないといけない。
そこで、国防省や外務省は、非難の声明を出しています。
“called the congressional delegation’s trip an “ambush visit” that “violates China’s sovereignty and territorial integrity”で「議会代表団の訪問は「中国の主権と領土保全を侵害する」「奇襲の訪問」であると述べた」と訳しています。
“ambush”は「奇襲、奇襲攻撃、待ち伏せ攻撃」という意味。
“sovereignty”は「主権、統治権、支配権」という意味です。
1つの中国を主張する北京政府としては、台湾の独自政府をアメリカが認めるような行動は許せないということでしょう。
一方で、アメリカとすれば、ロシアがウクライナに進行したことを受けて、中国に釘を刺しておく必要があると考えたのかもしれません。
今日は、今月初めのペロシアメリカ下院議長の訪台に続いて、アメリカ議会代表団も台湾を訪れたという話題を取り上げました。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
こうぷー
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