今日は、中国のロケットの残骸が、モルディブ諸島付近のインド洋に落ちた話です。
中国のロケットの残骸が制御不能の状態で大気圏に突入し、インド洋に落下したようです。
そのことについて、NASAなどが中国を批判しています。
では、記事を読んでいきましょう。
NASA has lambasted China for its failure to “meet responsible standards” after debris from its out-of-control rocket likely plunged into the Indian Ocean Saturday night.
NASAは、制御不能なロケットからの破片が土曜日の夜にインド洋に突入した可能性が高いため、「責任ある基準を満たしていない」として中国を非難しました。
NASAが中国を激しく非難しています。
”lambaste”は、「(人を)むち打つ、激しく非難する」という意味。
中国の制御不能なロケットの破片が、インド洋に落下したことについて、「責任ある基準を満たしていない」と言っています。
いったい、どうあるべきだったと言っているんでしょうか?
“Spacefaring nations must minimize the risks to people and property on Earth of re-entries of space objects and maximize transparency regarding those operations,” said NASA Administrator Sen. Bill Nelson in a statement released on the space agency’s website Sunday.
NASA長官のビル・ネルソン上院議員は、日曜日に宇宙機関のウェブサイトで発表された声明の中で、「宇宙飛行国は、宇宙物体の再突入による地球上の人と財産へのリスクを最小限に抑え、それらの操作に関する透明性を最大化する必要がある」と述べた。
NASAの長官であるネルソン上院議員がコメントしています。
“Spacefaring nations”は「宇宙飛行国」、”Spacefaring”は「宇宙旅行」という意味です。
宇宙に飛行体を送り出す国は、宇宙に送り出した物体が地球に再突入する際に地球上の人と財産へのリスクを最小限にする必要がある。
そして、そのオペレーションについて透明性を最大限にする必要がある。
当たり前のことを言っているように思います。
”transparency”は「透明、透明性」という意味。
“China is failing to meet responsible standards regarding their space debris,” he added.
「中国は宇宙船の破片に関する責任ある基準を満たしていない」と彼は付け加えた。
さらに、NASA長官は、「中国は宇宙船の破片に関して責任を果たしていない」と付け加えた。
記事の最初の部分にあったのと、ほぼ同じ表現です。
Most of the huge Long March 5B rocket, however, burned up on reentering the atmosphere, the China Manned Space Engineering Office said in a post on WeChat, before landing just west of the Maldives.
しかし、長征5号の巨大なロケットのほとんどは、大気圏に再突入すると燃え尽きると、中国有人宇宙工学局は、モルディブのすぐ西に着陸する前に、WeChatの投稿で述べていました。
一方で、中国の有人宇宙工学局は反論しています。
「長征5号ロケットのほとんどは大気圏に再突入するときに燃え尽きる。」と。
でも、”ほとんど”と言っているところで怪しいですね。全部じゃない。
自分でもわかっているんじゃないでしょうか?
いくらかは燃え尽きずにどこかに落ちてしまうことを…。
It was unclear if any debris had landed on the atoll nation. The US Space Command said the Long March 5B had reentered Earth over the Arabian Peninsula.
環礁の国にがれきが落下したかどうかは不明でした。 米国宇宙軍は、長征5号がアラビア半島の上空で地球に再突入したと述べた。
モルディブ諸島に破片が落ちたのかどうかは不明でした。
でも、アメリカの宇宙軍は、長征5号はアラビア半島の上空で大気圏に再突入したと述べました。
やっぱり、破片は全部燃え尽きずに、地球に落ちてきてしまった。
The rocket, which is about 108 feet tall and weighs nearly 40,000 pounds, had launched a piece of a new Chinese space station into orbit on April 29. After its fuel was spent, the rocket had been left to hurtle through space uncontrolled until Earth’s gravity dragged it back to the ground.
高さ約108フィート、重さ約40,000ポンドのロケットは、4月29日に新しい中国の宇宙ステーションを軌道に乗せました。燃料が消費された後、ロケットは地球の重力が地面に引っ張り戻すまで制御されずに宇宙を疾走し続けていました。
長征5号は、もともと4月29日に新しい中国の宇宙ステーションを軌道に乗せるためのロケットでした。
そして、燃料がなくなってからは、地球の重力に引っ張り戻されるまで、宇宙を疾走し続けていた。
”hurtle”は「突進する」という意味。
Generally, the international space community tries to avoid such scenarios. Most rockets used to lift satellites and other objects into space conduct more controlled reentries that aim for the ocean, or they’re left in so-called “graveyard” orbits that keep them in space for decades or centuries.
一般的に、国際宇宙コミュニティはそのようなシナリオを避けようとします。 衛星やその他の物体を宇宙に持ち上げるために使用されるほとんどのロケットは、海を狙って制御された再突入を行うか、数十年または数世紀の間それらを宇宙に保ついわゆる「墓場」軌道に残されます。
一般的に、国際宇宙コミュニティはそのようなことを避けようとします。
当たり前ですよね。危ないですから…。
衛星や何かの物体を宇宙に運んだロケットは、普通は海を狙って大気圏に再突入する。
または、長い間ぐるぐる回ったままになるいわゆる「墓場」と呼ばれる軌道に残されます。
それが、普通の宇宙にロケットを打ち上げる国のやることです。
But the Long March rocket is designed in a way that “leaves these big stages in low orbit” said Jonathan MacDowell, an astrophysicist at the Astrophysics Center at Harvard University.
しかし、長征ロケットは「これらの大きなユニットを低軌道に残す」ように設計されていると、ハーバード大学の天体物理学センターの天体物理学者であるジョナサン・マクダウェルは述べています。
しかし、中国は違った。
長征ロケットは、この大きなユニットを低軌道に残すように設計されているらしい。
ハーバード大学のマクダウェルさんが言っている。
”stage”には「(ロケットの)段、ユニット」という意味があります。
In this case, it was impossible to be certain exactly when or where the booster would land.
この場合、ブースターがいつどこに着陸するかを正確に特定することは不可能でした。
低軌道に残されると、制御不能になって、どこに落ちるかわからなくなるということです。
だから、危ないわけです。
The European Space Agency had predicted a “risk zone” that encompassed “any portion of Earth’s surface between about 41.5N and 41.5S latitude” – which included virtually all of the Americas south of New York, all of Africa and Australia, parts of Asia south of Japan and Europe’s Spain, Portugal, Italy and Greece.
欧州宇宙機関は、「約41.5Nから41.5Sの緯度の間の地球の表面の任意の部分」を含む「リスクゾーン」を予測しました。これには、ニューヨーク南部のほぼすべての南北アメリカ、アフリカとオーストラリアのすべて、アジアの一部が含まれます。それには、 日本とヨーロッパの南、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャなどが含まれます。
欧州宇宙機関は、長征5号が落下する可能性のあるエリアを予測した。
それは、北緯41.5度から南緯41.5度までのエリア。
ニューヨークから南側のすべての南北アメリカ大陸、アフリカ、オーストラリア、アジアの一部が含まれる広大な範囲。
主な国がたくさん含まれる範囲でした。
めっちゃ危ないですよね。
The threat to populated areas of land was not negligible, but fortunately the vast majority of Earth’s surface area is consumed by oceans, so the odds of avoiding a catastrophic run-in were slim.
人口密集地への脅威は無視できませんでしたが、幸いなことに、地球の表面積の大部分は海によって消費されているため、壊滅的な回避する可能性はわずかでした。
もちろん、人口密集地へ落下する可能性はゼロではありません。
でもまずは、地球というのは、陸対海が3:7なので、海に落ちる可能性が高い。
さらに陸地でも、人口密集地というのは割合的には小さいので、壊滅的な影響が起こる可能性は低かった。
とはいえ、落下可能性のエリアに入っているというのは、とても怖いことです。
The rocket is one of the largest objects in recent memory to strike the Earth after falling out of orbit, following a 2018 incident in which a piece of a Chinese space lab broke up over the Pacific Ocean and the 2020 reentry of an 18-metric-ton Long March 5B rocket.
2018年に中国の宇宙実験室の一部が太平洋上で崩壊した事件、2020年に18メートル-トンの長征5Bロケットの再突入があった以後、このロケットは軌道から外れた後に地球に衝突した最近の記憶の中で最大の物体の1つです。
今回以前も、最近に同じように落下したものは、中国のものばっかりだったようです。
2018年に中国の宇宙実験室(宇宙ステーションのようなもの?)が太平洋上で崩壊した事件。
そして、昨年、同じ長征5号のロケットの18mトンの部品がやはり、大気圏に再突入した時のもの。
そして、今回また、長征5号のユニットが落下してくることになったようです。
Despite recent efforts to better regulate and mitigate space debris, Earth’s orbit is littered with hundred of thousands of pieces of uncontrolled junk, most of which are smaller than 10 centimeters.
宇宙ゴミをよりよく規制し、軽減するための最近の努力にもかかわらず、地球の軌道には、制御されていない数十万個のがらくたが散らばっていて、そのほとんどは10センチメートル未満です。
この話はよく聞くものです。
たくさんの宇宙ゴミが地球を取り巻いているという話。
でも、その数が数十万個とは知りませんでした。
そして、そのほとんどが10センチメートル未満の小さなごみ。
回収することは不可能なのかもしれません。
まぁ、これぐらい小さなごみなら、大気圏に再突入しても、燃え尽きてしまうと思いますが…。
Objects are constantly falling out of orbit, though most pieces burn up in the Earth’s atmosphere before having a chance to make an impact on the surface. But parts of large objects, like the Long March rocket in this instance, can survive reentry and threaten structures and people on the ground.
オブジェクトは常に軌道から外れていますが、ほとんどの破片は地球の表面に衝撃を与える機会を得る前に地球の大気中で燃え尽きてしまいます。 しかし、この場合の長征ロケットのような大きな物体の一部は、再突入に耐え、地上の建造物や人々を脅かす可能性があります。
やはり、そうでした。
この手の小さな破片は、大気圏に再突入したとしても、燃え尽きてしまう。
でも、長征5号のロケットのような大きなものは、燃え尽きずに地表に到達してしまう。
そうすると、地上の構築物や人々を脅かすことになるのです。
“Norms have been established,” McDowell said. “There’s no international law or rule – nothing specific – but the practice of countries around the world has been: ‘Yeah, for the bigger rockets, let’s not leave our trash in orbit in this way.'”
「規範は確立された」とマクダウェルは言った。 「国際法や規則はありません。具体的なことは何もありませんが、世界中の国々の慣行は次のとおりです。「ええ、より大きなロケットの場合、このようにゴミを軌道に残さないようにしましょう。」
「国際法や規則はありませんが、規範はすでに確立されています」とマクダゥエルさんは言っています。
世界の責任ある行動をとる国の慣行がすでにある。
それは、「より大きなものについては、このように制御不能の状態で、軌道に残さないということ」ということです。
そういう意味で、今回の中国のやり方は批判されることとなっているのだと思います。
今日の話はここまでです。
明日もまた頑張ります。
こうぷー
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