先週金曜日のアメリカのパウエルFRB議長のスピーチは刺激的なものでした。
7月の消費者物価指数が予想より上がっていなかったので、金融界では、楽観ムードが漂っていました。
そして、株価も上がり始めていたところでした。
しかし、パウエルFRB議長のスピーチは相当厳しいものだった。
たとえ痛みを伴っても、インフレを止めなければならない。
インフレを止めるまでは、利下げは行わない。
というような強い口調でした。
このために、金曜日のS&P500などの株価指数は軒並み暴落しました。
今日は、この話題を取り上げようと思います。
まずは記事全体を読んでみたいと思います。
米連邦準備制度理事会(FRB)の長官が、金利を引き上げてインフレを引き下げる中央銀行のキャンペーンは、家計、企業、ひいては株価に苦痛をもたらすとしても、「無条件」であるとの厳しい警告を発した後、金曜日にウォール街は反発した。
The S&P 500 fell 3.4 percent, its worst daily showing since mid-June, taking its losses for the week to 4 percent. The slump was broad, with every sector of the index lower.
S&P 500 は 3.4% 下落し、6 月中旬以来の最悪の日足を示し、1 週間の損失は 4% になりました。下落幅は広く、指数のすべてのセクターが下落した。
Attention will now turn to the government’s monthly update on the labor market that is due next week, with the focus on any sign that hiring and unemployment are worsening. So far, despite some expectations that higher borrowing costs would eventually slow hiring, employers in the United States have continued to add jobs, and the unemployment rate has matched its 50-year low.
雇用と失業が悪化している兆候に焦点を当てた、来週予定されている労働市場に関する政府の月次更新に注目する。これまでのところ、借入コストの上昇が最終的に採用を遅らせるという一部の予想にもかかわらず、米国の雇用主は雇用を増やし続けており、失業率は50年ぶりの低水準に達しています。
では、1文ずつ文章を細かく見ていこうと思います。
米連邦準備制度理事会(FRB)の長官が、金利を引き上げてインフレを引き下げる中央銀行のキャンペーンは、家計、企業、ひいては株価に苦痛をもたらすとしても(even if it leads to pain for households, businesses and in turn stock prices)、「無条件」であるとの厳しい警告を発した(delivered a stern warning)後、金曜日にウォール街は反発した(recoiled)。
パウエルFRB長官のスピーチは、ウォール街に影響を与えました。
たとえ、家計や企業、株価に痛みを伴うとしても、インフレーションが収まるまでは、金利の利下げはしないというもの。
これに、株価は即座に反応したということです。
“even if it leads to pain for households, businesses and in turn stock prices”で「家計、企業、ひいては株価に苦痛をもたらすとしても」と訳しています。
“even if ~”は「たとえ~だとしても」という基本的な構文。
S&P 500 は 3.4% 下落し(fell 3.4 percent)、6 月中旬以来の最悪の日足を示し(worst daily showing since mid-June)、1 週間の損失は 4% になりました。下落幅は広く、指数のすべてのセクターが下落した(with every sector of the index lower)。
S&P500は1日で3.4%も下落した。
これは、6月中旬以来の最悪の下落率。
でも、今年は、最初からずっと下落が続いていたので、さらに下落したという感じでしょうか。
そして、下落はすべてのセクターに及んだ。
まぁ、コメントがコメントなので、インフレはすべてのセクターに関係しますからね。
“with every sector of the index lower”で「指数のすべてのセクターが下落した」と表現しています。
雇用と失業が悪化している兆候に焦点を当てた(the focus on any sign that hiring and unemployment are worsening)、来週予定されている労働市場に関する政府の月次更新に注目する(will now turn to the government’s monthly update)。これまでのところ(so far)、借入コストの上昇が最終的に採用を遅らせるという一部の予想にもかかわらず(despite some expectations that higher borrowing costs would eventually slow hiring)、米国の雇用主は雇用を増やし続けており、失業率は50年ぶりの低水準に達しています。
次に注目されるのは、雇用と失業の状況になる。
現在、アメリカは失業率が低い状況になっている。
通常、金利が上がると、企業の経営は苦しくなり、雇用環境は悪くなる。
しかし、現在のところ、企業は雇用を増やし続けていて、失業率は50年ぶりの低水準。
これが、パウエル議長の発言による株価の急落によってどのような影響を受けるのかが注目されます。
“will now turn to the government’s monthly update”で「政府の月次更新に注目がうつる」と訳しています。
“turn to ~”で「~の方を向く」という意味。
今日は、ジャクソンホール会合でのFRBのパウエル議長の発言が、S&P500の下落に結びついたという話題を取り上げました。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
こうぷー
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